GCash公開価格の評価は「割安ではない」、実績PERで24.6倍
KEY POINTS
- ニュースの要点
- Myntの新規株式公開の価格6.60ペソについて、証券会社の分析担当者は、上限の10ペソと比べれば釣り合いは取れているが割安とは言えないとしています。実績ベースの株価収益率(PER)は24.6倍です。
- この動きの意味
- 純利益の伸びが7.3%にとどまるのに対し、売上は47.3%伸びています。利益の実績から見ると高く、成長の速さから見ると説明がつく、という評価です。34%の値下げは、弱いペソ、物価への懸念、未解決の米国・イラン情勢を背景に市場が押し返した結果と見られています。
- 今後の注目点
- 貸付事業が大きくなるにつれて与信の質がどうなるか。10月20日の初値。売り手が8割を占める構成が需給にどう効くか。地場の債券利回りとの比較で投資家がどう判断するか。
Myntの公開価格が1株6.60ペソに決まったことについて、証券会社の見方が出ています。
結論は「釣り合いは取れたが、割安ではない」です。
数字で見た評価
DragonFi Securitiesの上級調査アナリストJarrod Leighton M. Tin氏は、こう述べました。
「6.60ペソなら、GCash/Myntは当初の10ペソの水準より無理がない。ただし割安とは言わない」
「実績ベースでおよそ 24.6倍。純利益の伸びが7.3%であることに照らすと目いっぱいに見えるが、継続的な売上の伸びが47.3%であることに照らせば、より説明がつく」
| 指標 | 数字 |
|---|---|
| 実績PER(6.60ペソ) | 24.6倍 |
| 純利益の伸び | 7.3% |
| 売上の伸び | 47.3% |
つまり、この価格は 足元の利益ではなく成長の速さに対して払う水準だということです。
なぜ34%下げたのか
Tin氏は、値下げの理由を市場の押し返しに求めています。
「34%の引き下げは、弱いペソ、物価への懸念、未解決の米国・イラン情勢という厳しい背景のもとで、市場が10ペソを押し返したことを示している。売り手は売り出しのおよそ8割を占めており、価格より流動性を優先した」
売り出しの大半が既存株主による売却であることが、価格決定の性格を規定したという見立てです。
Globalinks Securities and Stocksの営業トレーディング責任者Toby Allan C. Arce氏も、6.60ペソはより釣り合いの取れた評価だとしています。
「上限10ペソと比べると、34%の割引は、GCashの基礎的な力と、フィリピン株式市場のより厳しい評価環境の両方を会社と引受団が考慮に入れたことを示唆する」
評価する側が見ているもの
Arce氏が挙げたのは、規模・収益性・成長の組み合わせがフィリピン証券取引所では比較的珍しいという点です。
同社は決済から貸付、投資、貯蓄、保険へと広げており、これらが事業のなかで重みを増しています。Myntに帰属するGlobeの持分利益は2025年に64%増え、貸付と資産運用の事業が強く伸び続けたとしています。
6.60ペソという価格は、将来の成長の大半を最初から織り込むのではなく、投資家が参加する余地を残すものだというのがArce氏の評価です。同氏は、債券など固定利付の選択肢の利回りが相対的に高いなかで、投資家が価格に敏感になっているとも指摘しました。
20社を超える国内外の大口投資家が、最終価格の決定前に機関投資家向けの枠をほぼ埋めたことにも触れています。「洗練された投資家が、GCashの市場での位置、収益性、長期の成長の見込みの組み合わせに価値を見ているということだ」
別の見方
マニラ・タイムズが伝えた分析では、評価の軸が収益性に置かれています。
アナリストのEric Jurado氏は、価格が下がったことで投資家はより安く入れるとしたうえで、評価はMyntが継続的に利益を生み出す力と合わせて判断すべきだとしました。同紙が挙げた自己資本利益率(ROE)は次のとおりです。
| 期間 | ROE |
|---|---|
| 2023年 | 25.8% |
| 2024年 | 32.8% |
| 2025年 | 32.1% |
| 2026年6月までの12か月 | 26.8% |
平均するとおよそ29.4%です。高い水準ですが、直近の12か月は2024年・2025年より下がっています。
共通している留保
2つの分析に共通するのは、貸付が大きくなることへの注意です。
決済だけの会社なら、取引が増えれば手数料が増えます。貸付は違います。貸した相手が返さなければ損失になります。銀行業界では延滞債権の比率が7月の4.24%から8月の4.33%へ上がったところで、与信の環境が緩んでいるわけではありません。
アナリストが「与信の質を見ておくべきだ」としているのは、この点です。上場は10月20日、銘柄コードはGCASHです。
本記事は株価倍率と比率を扱い、新たな金額の記載がないため為替換算を行っていない。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアAnalysts say Mynt IPO price more balanced, but not cheapbworldonline.com
- The Manila TimesメディアLower GCash IPO seen to sustain profitabilitymanilatimes.net
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