パンギリナン系のKayana、支払い窓口のBayad Centerを27億ペソで完全子会社に
KEY POINTS
- ニュースの要点
- PLDTとメラルコは、両社とメトロ・パシフィックが出資するKayana Solutionsが、11月3日にCIS Bayad Centerの株式50万4,948株を27億ペソで取得したと開示しました。Kayanaの保有比率は10%から100%になります。
- この動きの意味
- Bayad Centerは、店頭とデジタルの両方で電気代などの支払いを受け付ける会社です。売り手は電力会社のメラルコで、パンギリナン氏が率いる企業群のなかで、支払いの窓口が電力会社からデジタル事業の会社へ移りました。
- 今後の注目点
- 代金の残りは2027年4月に支払う条件です。KayanaがBayad Centerの窓口網と、AI・データ・決済の事業をどう組み合わせるか、グループ各社の顧客の支払いをどこまで集約するかが次の判断材料です。
通信大手PLDTと電力大手メラルコは11月4日、両社が出資するKayana SolutionsがCIS Bayad Centerの株式50万4,948株の取得を終えたと、それぞれ証券取引所に開示しました。取得額は 27億ペソ(約67億円)です。PLDTの開示によると、取得は11月3日に完了しました。
Bayad Centerは、店頭とデジタルの両方の窓口で、電気代などの公共料金や各種の支払いを受け付ける会社です。株式はメラルコ(2万8,053株)と、その完全子会社Corporate Information Solutions(47万6,895株)から買い取りました。BusinessWorldによると、Kayanaの持ち分はこれで10%から 100% になり、Bayad Centerは完全子会社になりました。
電力会社の窓口がデジタル企業の傘下へ
Kayanaは、AI、決済、データのサービスを手がけるデジタル企業です(メラルコの開示による)。旧社名はDigiCoで、実業家Manuel V. Pangilinan(パンギリナン)氏が率いる企業群の、決済や顧客対応をデータと技術で支える役割を担っています。
| 出資者 | Kayanaへの出資比率 |
|---|---|
| PLDT | 45% |
| メラルコ | 27.5% |
| メトロ・パシフィック(MPIC) | 27.5% |
つまり今回の取引は、同じ企業群のなかで、支払い窓口の会社を電力会社の傘下からデジタル事業の会社の傘下へ移すものです。
買収は4月に発表されていました。BusinessWorldによると、10月に支払い条件が改められ、完了時に一部を払い、残りは2027年4月に支払います。
なおBusinessWorldは、PLDTの信託基金の傘下にあるMediaQuestの系列会社が過半を持つメディアです。
本記事の円換算は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)で行った。
SOURCES / 出典
- PLDT(PSE Edge)企業公式一次情報Completion of Kayana Solutions Inc.'s acquisition of 504,948 common shares of CIS Bayad Center, Inc.(PLDT 適時開示)edge.pse.com.ph
- Manila Electric Company(PSE Edge)企業公式一次情報Completion of Acquisition of Shares in CIS Bayad Center, Inc. by Kayana Solutions, Inc.(メラルコ 適時開示)edge.pse.com.ph
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアPLDT-backed Kayana completes P2.7-B Bayad Center acquisitionbworldonline.com
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTS三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか
日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。
600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない
フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。
2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由
Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。



