PHILIPPINES STARTUP

BSPを含む東アジア11中銀、デジタル詐欺の情報共有タスクフォースを設置

FinTech

KEY POINTS

ニュースの要点
フィリピン中央銀行(BSP)が参加する東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)が、デジタル詐欺に対応するタスクフォースを設置する。加盟する11の中央銀行の間で、詐欺の防止と検知に関する情報を共有する。
この動きの意味
詐欺の手口が国境をまたぐため、1国の規制だけでは追えなくなっている。金融機関の責任あるAI活用についても事例を交換する方針で、監督のやり方そのものを揃えにいく動きにあたる。
今後の注目点
共有の枠組みが実務でどう動くか。フィリピンは電子ウォレットの普及が速く詐欺の被害も出ている国で、地域の知見がどこまで国内の監督に反映されるか。

フィリピン中央銀行(BSP)が参加する東アジア・オセアニア中央銀行役員会議(EMEAP)が、デジタル詐欺に対応するタスクフォースを設置する。7月23日にシンガポールで開いた会合で承認し、翌24日にも協議を続けた。

タスクフォースの役割は、加盟する 11の中央銀行の間で情報を共有し、詐欺の防止と検知の精度を上げることにある。EMEAPには中国人民銀行、日本銀行、韓国銀行、オーストラリア準備銀行、シンガポール通貨庁などが名を連ねる。

会合ではこのほか3つの取り組みを承認した。

  • 金融機関による責任あるAI活用について、各国の実践を交換する
  • 若手の中央銀行員向けの研修プログラムを立ち上げる
  • 供給網の混乱がマクロ経済と金融に及ぼす影響を議論する

BSPの Eli Remolona Jr. 総裁は、地域と世界の金融システムと経済が抱える課題を踏まえ、地域協力が決定的に重要だと強調した。会合はシンガポール通貨庁が主催した。

記事には詐欺被害の金額は示されていない。

フィリピンは電子ウォレットの普及が速く、決済のデジタル化と並行して詐欺の手口も広がってきた。手口が国境をまたぐ以上、1国の規制だけでは追いきれない。今回の枠組みは、その前提に立ったものになる。

SOURCES / 出典

  1. The Philippine Starメディア
    Asia-Pacific central banks form task force against digital scamsphilstar.com
  2. Daily Tribuneメディア
    BSP, regional peers boost AI cooperationtribune.net.ph

SHARE

#中央銀行#詐欺対策#BSP#EMEAP#AI

同じカテゴリーのNews

RELATED

この動きを読み解くInsights

INSIGHTS
企業分析

マニラで見つけた課題を4か国に広げたKitaが、シードで約7億円を集めた理由

新興国の貸し手向けに与信審査を自動化するKitaが、シードで450万ドル(約7億円)を調達しました。創業者はマニラ出身で、フィリピンの貸し手と働くなかで課題を見つけています。ただし会社はサンフランシスコにあり、稼働しているのはフィリピン・インドネシア・メキシコ・米国の4市場。公開されている顧客6社のうち、フィリピンの貸し手は1社です。この設計の違いが、値段の付き方を変えています。

三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか

日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。

企業分析

600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない

フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。