BYDが8か月で前年通年を超える2万8,399台、8割はプラグインハイブリッド
KEY POINTS
- ニュースの要点
- BYDのフィリピンでの販売が1〜8月で2万8,399台となり、2025年通年の2万6,122台を4か月残して超えました。前年同期比99%増です。プラグインハイブリッドが2万2,555台、電気自動車が5,844台で、最量販車種はSealion 6 DM-iの7,759台でした。
- この動きの意味
- 売れているのは完全な電気自動車ではなく、外部充電なしでも走るプラグインハイブリッドで、全体の8割を占めます。充電設備が首都圏に偏る段階では、この構成が現実的だということになります。販売を担うのはアヤラ財閥のACMobilityで、店舗数は81です。
- 今後の注目点
- 通年で3万台を超えるか。プラグインハイブリッドと電気自動車の比率が動くか。2028年に切れる輸入関税ゼロの扱いが決まるか。日系メーカーのハイブリッドとの競合がどう出るか。
中国のBYDのフィリピンでの販売が、1〜8月で 2万8,399台になりました。2025年通年の2万6,122台を、4か月残して超えています。前年同期比では99%増、つまりほぼ倍です。
| 台数 | 前年同期比 | |
|---|---|---|
| 1〜8月の合計 | 2万8,399台 | +99% |
| うちプラグインハイブリッド | 2万2,555台 | +95% |
| うち電気自動車 | 5,844台 | +115% |
| 8月単月 | 4,682台 | — |
| 4月(最多) | 5,730台 | +258% |
車種別では Sealion 6 DM-i が7,759台で全体の27%を占めます。eMAX 9 DM-iが2,512台、電気自動車ではeMAX 7が1,975台でした。
売れているのは、充電しなくても走る車
数字の中身を見ると、この伸びの性格が分かります。
8割はプラグインハイブリッドです。外部から充電できますが、しなくてもガソリンで走れます。完全な電気自動車は5,844台で、2割にとどまります。
理由は充電設備にあります。フィリピンの公共充電器は500基超で、その約7割が首都圏周辺に集中しています。地方では充電の当てがありません。その制約を受けない車が選ばれているという、素直な結果になります。
市場全体は縮んでいるのに
この伸びは、市場が拡大しているから起きているのではありません。
1〜7月の新車販売は24万1,725台と前年同期から10.2%減っています。全体が縮むなかで、電動車だけが136.4%伸びました。BYDはその伸びの中心にいます。
背景として挙げられているのが 燃料価格です。9月8日からも1リットル最大5ペソ上がりました。ガソリン代が上がるほど、燃費で選ぶ理由が強くなります。
売っているのはアヤラ
見落とされやすい点があります。BYD Cars Philippinesを担っているのは、アヤラ財閥のモビリティ部門ACMobilityです。店舗は全国81か所に広がっています。
同じACMobilityは充電インフラの最大手でもあり、公共充電器で登録設備の45%超を占めています。車を売る側と、充電網を敷く側が同じという構図です。
BYD Cars PhilippinesのBob Palanca代表は「電気自動車はフィリピンで主流になった」としています。
日本のメーカーとの関係
比較には注意が要ります。7月時点でトヨタ・モーター・フィリピンは ハイブリッド車を1万2,838台販売しており、これは同社の電動車の数字です。BYDの2万8,399台はプラグインハイブリッドと電気自動車の合計なので、同じ土俵の数字ではありません。
それでも方向は見えます。外部充電を前提としない電動車という同じ土俵で、中国メーカーが台数を伸ばしています。EV業界は2028年に切れる輸入関税ゼロの2040年までの延長を求めており、この措置はハイブリッドも対象です。関税の期限をどこに置くかは、日中のメーカーがどちらも同じ条件で戦う土俵の設定にあたります。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアBYD car sales in the Philippines zoom past 2025 recordbusiness.inquirer.net
- PhilSTARメディアBYD overtakes entire 2025 sales in 8 monthsphilstar.com
参考(本文の補足)
- ACMobilityACMobility
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