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零細事業者の滞納を一度だけ帳消しに、2か月で6,234件の申請

KEY POINTS

ニュースの要点
フィリピン内国歳入庁(BIR)の一回限りの税額免除(abatement)制度に、開始から2か月で1,352の零細事業者から6,234件の申請がありました。2026年9月18日までに5,000件が承認されています。
この動きの意味
承認分が対象とした税額と罰金は8,450万9,316.48ペソ(約2億1,000万円)。納税者が納めた免除手数料は2,481万5,000ペソ(約6,180万円)です。
今後の注目点
対象は「零細納税者」、つまり課税年度の総売上が300万ペソ(約747万円)未満の事業者です。2025年12月31日時点の滞納と査定、無申告の案件が範囲に入ります。

フィリピン内国歳入庁(BIR)の一回限りの税額免除制度に、申請が集まっています。

数字

申請した事業者1,352
申請件数6,234件
承認済み(9月18日時点)5,000件
対象となった税額と罰金8,450万9,316.48ペソ(約2億1,000万円)
納められた免除手数料2,481万5,000ペソ(約6,180万円)

手数料は課税年度1年につき5,000ペソの定額です。承認された5,000件に5,000ペソを掛けると2,500万ペソで、実際の納付額2,481万5,000ペソとほぼ一致します。

滞納額に比例するのではなく、件数に応じた定額を払って残りを消す仕組みです。

誰が対象か

零細納税者(micro taxpayer)です。定義は、納税規則にもとづき 課税年度の総売上が300万ペソ未満(約747万円)の事業者。総売上は事業所得を指し、給与所得などは除きます。

制度の根拠は 納税簡素化法(Ease of Paying Taxes Act)の施行規則、具体的には歳入規則第4-2026号です。

対象となる案件は3つです。

  • 2025年12月31日時点の滞納債権
  • 同時点で存在する予備的または最終的な査定
  • 無申告の案件(すでに廃業した納税者のものを含む)

金額の上限もあります。課税年度あたりの本税と罰金の合計が 8万ペソ(約19万9,000円)以下であることが条件です。申請の期限は 2026年12月31日です。

なぜ集まったのか

長官の Charlito Martin R. Mendoza 氏は、次のように説明しています。

利用が伸びたのは、マルコス大統領が施政方針演説でこの制度に触れたこと、そして各歳入地方局が広報を強めたことによる。ゴー財務長官の指示のもと、資格のある納税者にこの救済が使えることを確実に知ってもらいたい

Charlito Martin R. Mendoza内国歳入庁 長官

Mendoza氏は「制度は2026年12月31日まで使える。資格のある納税者には、時間があるうちに利用するよう勧めたい」とも述べています。

さらに、待ちの姿勢をやめるよう現場に指示したとしています。「歳入地方局と歳入地区事務所への指示は、納税者が来るのを待つな、ということだ。誰が利用できるかを仕組みのなかから探し、こちらから声をかけ、対象となる債務の清算、記録の正常化、そしてコンプライアンスへの復帰を導け」

日系企業にとっての読みどころ

直接の対象は年商300万ペソ未満の零細事業者なので、日本企業の現地法人はまず該当しません。

読みどころは、制度の設計思想のほうです。

フィリピンの税務行政では、小さな事業者の滞納案件が長年たまってきました。金額は小さく、追いかける費用のほうが高くつく。一方、滞納を抱えた事業者は正規の手続きに戻れず、記録も止まったままになります。

取り立てるのではなく、安く清算させて登録簿に戻す。この制度はそういう整理です。歳入の最大化ではなく、納税者の数を回復させることを狙っています。

実務上の含意は取引先の与信に関わります。フィリピンで零細な事業者と取引する場合、相手の税務上の登録が生きているかは重要な確認事項です。この制度で記録を正常化した事業者が増えれば、正規の請求書を発行できる取引先の裾野が広がります。

BIRは税務調査の14の着眼点を公表するなど、調査の側も強めています。救済と強化を同時に進める局面です。


1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。

SOURCES / 出典

  1. Daily Guardianメディア
    BIR micro taxpayer relief draws 6,234 applicationsdailyguardian.com.ph
  2. Daily Tribuneメディア
    BIR abatement program draws 6,234 applicationstribune.net.ph

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#内国歳入庁#税制#零細事業者#EOPT法#コンプライアンス

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