ACENが456メガワットの太陽光2件を返上、土地が取れなかった
KEY POINTS
- ニュースの要点
- アヤラ系の再生可能エネルギー大手 ACEN の子会社2社が、ケソン州パグビラオの336メガワットとサンバレス州ボトランの120メガワットの太陽光事業契約を返上しました。合計456メガワットです。
- この動きの意味
- 理由は用地の取得難(パグビラオ)と進入路の確保(ボトラン)です。設備や技術ではなく、土地が止めました。
- 今後の注目点
- いずれも着工も商業運転も始まっておらず、ACENは業績への影響はないとしています。同社の現有容量は7.5ギガワット、年末目標は8ギガワットです。
アヤラ系の再生可能エネルギー大手 ACEN が、太陽光2件の事業契約を国に返上しました。9月21日の証券取引所への開示です。
返上した2件
| 案件 | 場所 | 容量 | 返上日 | 理由 |
|---|---|---|---|---|
| Pagbilao Solar | ケソン州パグビラオ | 336メガワット | 9月11日 | 用地取得の重大な困難 |
| Botolan Solar | サンバレス州ボトラン | 120メガワット | 9月17日 | 進入路の制約 |
合計 456メガワットです。契約を持っていたのは、それぞれ Abagat Energy Corp. と SolarAce2 Energy Corp. です。
止めたのは設備でも資金でも規制でもなく、土地です。
経緯
- 2021年6月ボトランの事業契約を取得
- 2021〜2022年ボトランで地方自治体の同意・用途変更・農地転用の手続きが進む
- 2024年8月パグビラオの事業契約を取得
- 2026年9月11日・17日2件とも契約を返上
ボトランの案件は、2021年の用途変更の承認、2022年5月の農地転用、同年7月の確定証明まで進んでいました。書類は揃っていたのに、現地へ入る道が確保できなかったという形です。
ACENは2023年12月、SolarAce2 Energy に2億5,000万ペソ(約6億2,000万円)の償還可能優先株を出資していました。
業績への影響
ACENは、両案件とも着工も商業運転も始まっていないため、事業や財務への重大な影響はないとしています。最終投資判断にも、設備投資の取締役会承認にも至っていませんでした。
同社の現状は次のとおりです。
| 現有の持分容量 | 7.5ギガワット(フィリピン、豪、越、印、尼、ラオス、米) |
| 年末の目標 | 8ギガワット |
| 今年の設備投資 | 800億ペソ超(約1,992億円) |
| 上期の持分当期利益 | 39億ペソ(約97億円、前年7億6,300万ペソから5倍超) |
| 上期の売上高 | 231億3,000万ペソ(約576億円、+47.1%) |
開示のあった9月21日、ACEN株は2.44%安の2.80ペソで引けました。
なお同社は、サンバレス州では別の案件を進めています。太陽光と蓄電池に92億4,000万ペソの融資を子会社2社に実行したばかりです。
日系企業にとっての読みどころ
見どころは、456メガワットが土地で止まったという事実そのものです。
フィリピンの再生可能エネルギーは、政策としては追い風にあります。外資規制も緩和され、優遇措置も置かれました。しかし、実際に発電所を建てる段になると、用地の取得と進入路が壁になります。
理由は制度にあります。農地転用には農地改革省の手続きが要り、先住民の居住地域なら国家先住民委員会の同意が要り、地方自治体の承認も要ります。それらを通しても、私有地の地権者が売らなければ終わりです。
ACENのような国内最大級の事業者でも、書類を揃えたうえで撤退することがある。これは、用地の確保は「許認可が取れたかどうか」とは別の問題だということを示しています。
フィリピンで工場や発電所の用地を探す企業にとって、実務上の含意は単純です。許認可の進捗と、土地の実際の確保は、別々に管理する必要があります。
1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアACEN drops two solar projects over site constraintsbworldonline.com
- Power PhilippinesメディアACEN units relinquish two solar contracts over site constraintspowerphilippines.com
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