石油精製のPetron、1〜9月の純利益は44%減の54億ペソ、売上56%増でも利幅が縮む
KEY POINTS
- ニュースの要点
- サンミゲル系の石油精製会社Petronの2026年1〜9月の純利益は、前年同期比44%減の54億ペソでした。売上高は56%増の9,282億ペソ、営業利益は28%減の191億ペソです。
- この動きの意味
- 中東の戦争で原油が7月の1バレル77ドルから9月に114ドルへ上がり、売上は増えても仕入れの費用がそれ以上に膨らみました。燃料高は消費者の物価だけでなく、燃料を売る国内最大手の利益も削っています。
- 今後の注目点
- マレーシアの製油所の代わりの桟橋が予定どおり2027年1〜3月に動くか。原油価格が9月の水準から下がり、10〜12月に利幅が戻るかが次の判断材料です。
フィリピン唯一の石油精製会社Petronの2026年1〜9月の純利益は 54億ペソ(約134億円)で、前年同期から44%減りました。売上高は56%増の9,282億ペソ(約2.3兆円)と大きく伸びましたが、原油の仕入れ値の上昇に販売価格が追いつかず、利幅が削られています。11月3日に証券取引所(PSE)へ開示しました。
Petronはサンミゲル系で、フィリピンとマレーシアで製油所と給油所を持ちます。BusinessWorldによると、国内の販売シェアは27.8%(2025年1〜6月時点)、給油所は約2,700か所、精製能力は両国あわせて日量約27万バレルです。
売上は56%増、営業利益は28%減
| 項目 | 2026年1〜9月 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 9,282億ペソ | 56%増 |
| 営業利益 | 191億ペソ | 28%減 |
| 純利益 | 54億ペソ | 44%減 |
| 販売量 | 1億350万バレル | 3%増 |
売上が増えたのは、油価が上がり、販売量も増えたためです。中東では米国とイランの戦争で域内の原油の流れが乱れ、指標となるドバイ原油は7月の平均1バレル77ドルから9月には114ドルまで上がりました。1〜9月の平均は92ドルで、前年より29%高い水準です。
一方で、原油の仕入れ値に加えて、輸入時の上乗せ分(プレミアム)と運賃も上がりました。売上が増えても、それ以上に仕入れの費用が膨らんだ ため、営業利益は28%減っています。
マレーシアの製油所が足を引っ張った
もうひとつの重荷が、マレーシアのポートディクソン製油所です。2025年末の熱帯低気圧Senyarで製品を船に積み出す桟橋が壊れ、いまも使えません。精製量が絞られ、マレーシアでの精製の利幅が縮みました。代わりの桟橋は2027年1〜3月の稼働を目指しています。
販売量の中身にも、この影響が表れています。
- 小売:フィリピンで16%増、マレーシアで2%増
- シンガポールの貿易子会社:33%増
- フィリピンとマレーシアをあわせた販売量:製油所の生産減で3%減の8,200万バレル
国内外の小売は伸びましたが、製油所でつくる量が減ったぶんを、シンガポールの子会社を通じた取引で補った形です。
Ramon Ang会長兼最高経営責任者は「外部からの圧力があっても、燃料の安定供給を支え、顧客の需要に応えるという責任は揺るがない」と述べています。9月末の連結の負債総額は2,418億ペソでした。
燃料高は利益にも消費者にも響いている
原油高は、燃料を売る側の利益も削っています。消費者の側では、中央銀行(BSP)が10月の物価上昇率を最大8.1%と予想し、燃料と電気代を押し上げ要因に挙げています。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安です。
SOURCES / 出典
- Petron Corporation(PSE Edge 適時開示)企業公式一次情報Petron sustains profitability in the first nine months, but posts 44% net income decline versus last yearedge.pse.com.ph
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアPetron nine-month profit falls 44% as higher oil costs squeeze marginsbworldonline.com
- GMAニュース(GMA News)メディアPetron reports 44% decline in net income amid rising costs, tensionsgmanetwork.com
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