First Genが地熱子会社の売却を否定、50億ドルの提案を退ける
KEY POINTS
- ニュースの要点
- ロペス財閥系の First Gen が、地熱最大手 Energy Development Corp.(EDC)を売却しない方針を示しました。インドネシアの Barito Group から、株式価値で約50億ドル(約7,800億円)の買収提案が出ていたものです。
- この動きの意味
- 提案が成立すればFirst Genには約22億9,000万ドル(約3,570億円)が入る計算でした。同社が2007年に政府からEDCを取得したときの投資額は585億ペソです。
- 今後の注目点
- 今後5年で最大1,600億ペソ(約3,980億円)の設備投資、うち700億ペソを地熱に。レイテの地熱再開発が最大の案件になります。
ロペス財閥系の First Gen が、地熱最大手 Energy Development Corp.(EDC)を手放さない方針を示しました。
何が起きていたか
- 2007年First Genが政府からEDCを取得
投資額585億ペソ
- 2026年7月インドネシアのBarito Renewablesが買収を打診
株式価値で約50億ドル、拘束力のない提案
- 2026年7月末EDCが協議の事実を否定
助言会社も起用していない
- 2026年9月First Genが売らないと明言
5年で最大1,600億ペソの投資計画を提示
Baritoの提案は 一方的で、予備的で、拘束力のないものでした。株式価値でおよそ 50億ドル(約7,800億円、約3,150億ペソ)。成立すればFirst Genの手元には約 22億9,000万ドル(約3,570億円、約1,440億ペソ)が入る計算でした。
EDCはフィリピン最大の地熱事業者で、国内の再生可能エネルギー設備容量のおよそ5分の1を占めます。First Genの完全子会社です。
First Genの言い分
社長兼最高執行責任者の Francis Giles Puno 氏は、次のように述べています。
フィリピンが成長したいのなら、地熱をはじめとする再生可能エネルギーの拡大に向けて価値を生み出し続ける会社が要る。First Gen や EDC のような会社が
2007年の取得額は 585億ペソ(約1,457億円)。提案額はその倍以上です。それでも売らないという判断になります。
数字の裏付けもあります。2026年上期のEDCの持分帰属経常利益は、前年同期の19億ペソから 38億ペソ(約95億円)へ倍増しました。
制度の壁もある
地熱は、外資規制の緩和対象から外れています。
2022年に政府は再生可能エネルギーの外資出資規制を緩めましたが、対象は太陽光、風力、バイオマス、海洋・潮汐に限られます。地熱は入っていません。
つまり、外国企業がEDCを丸ごと買うことには、そもそも制度上の制約があります。
次に何に使うのか
全体1,600億ペソのうち、およそ半分が地熱。
最大の案件は、レイテの地熱再開発です。
| 投資額 | 約700億ペソ |
| 現在の容量 | 約400メガワット |
| 目標容量 | 少なくとも640メガワット |
| 上乗せ | 200メガワット超 |
| 投資判断 | 2027年を見込む |
| 完成 | 2030年前後、本格稼働は2031年に及ぶ可能性 |
Puno氏は「同じ量の蒸気からより多くの発電をするために、蒸気の質を使い切りたい」としています。First Genによれば、同社にとって世界最大規模の地熱再開発になります。
日系企業にとっての読みどころ
地熱は日本企業が強い分野です。発電設備では、世界のタービンの相当部分を日本メーカーが供給してきました。
注目すべきは、200メガワット超を新設ではなく「再開発」で得ようとしている点です。すでに蒸気が出ている井戸と既存の設備を、より効率よく使う。新規の探鉱より確実性が高く、環境評価も通りやすい。設備と技術の需要は、新設案件とは違う形で立ちます。
もう一点、資本の流れも見どころです。インドネシアの企業がフィリピンの地熱を買いに来て、断られた。東南アジア域内で再生可能エネルギー資産の取り合いが始まっているということです。地熱の掘削費を政府が半分負担する制度に17社が申請している状況と、同じ流れの中にあります。
1ドル=155.9円、1ペソ=2.49円で換算しています(2026年9月4日時点)。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアFirst Gen: No plan to sell EDCphilstar.com
- Power PhilippinesメディアFirst Gen eyes PHP 70B Leyte geothermal redevelopment, 200+ MW capacity boostpowerphilippines.com
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