VinFastのフィリピン販売が今年8,000台超へ、1〜9月は前年の47倍
KEY POINTS
- ニュースの要点
- ベトナムのEVメーカーVinFastのフィリピン法人は、今年の国内販売が8,000台を超えるとの見通しを示しました。1〜9月は5,417台で、前年同期の115台から約47倍に増え、バッテリーEVのブランド別で首位です。
- この動きの意味
- 燃料価格の不安定さが、小型EVへの乗り換えを後押ししています。販売の7割を1車種に頼る状態のまま、販売店の拡大とネット注文の導入で台数を取りにいっています。
- 今後の注目点
- 10〜12月に月1,000台のペースが実際に出るか。11月発売の大型SUV「VF8」など上位車種が売れるか。親会社Vingroupの国内工場の所在地と着工時期が具体化するか。
ベトナムのEVメーカーVinFastのフィリピン法人、VinFast Auto Philippinesは、2026年の国内販売が 8,000台を超えるとの見通しを示しました。10〜12月に月1,000台前後を売る前提です。販売担当の副CEO、Victor Jose Vela氏が10月26日に記者団に語りました。
1〜9月の販売は5,417台で、前年同期の115台の約47倍です。フィリピン自動車工業会(CAMPI)とトラック製造業者協会(TMA)のデータで、この期間のバッテリーEV(BEV)のブランド別で首位でした。
| 期間 | 販売台数 |
|---|---|
| 2025年1〜9月 | 115台 |
| 2025年通年 | 約1,000台 |
| 2026年1〜9月 | 5,417台 |
| 2026年通年(見通し) | 8,000台超 |
2025年通年の約1,000台はPhilSTARの報道によります。
燃料高がEVへの需要を押した
Vela氏は販売が伸びた理由を、中東での戦闘をきっかけに燃料価格が不安定になり、燃費のよい移動手段を選ぶ人が増えたためと説明しています。主力は小型の電気SUV「VF3」で、販売の 70%を占めます。11月には大型の電気SUV「VF8」を発売し、今後6か月で3〜4車種を追加する予定です。
9月の国内の新車販売でも、電動車は前年の4倍に増えていました(9月の新車販売の記事)。
ネットで注文できる仕組みを始めた
同じ26日、VinFastは、オンラインで車種を見て注文し、試乗の予約や納車の手配までできる「O2O(オンラインと店舗をつなぐ販売)」の仕組みをフィリピンで始めました。担当の副CEO、Roxildes Lacerna氏は「販売店と競合するものではなく、買い方の選択肢を増やすものだ」と説明しています。ネット経由の販売の見通しは、始めたばかりで数字はまだ無いとしています。
販売店は約40店で、多くがマニラ首都圏に集まっています。年末までに60店に増やす計画です。親会社のVingroupは、フィリピンにEV工場を建てる計画を10月に発表しています。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアVinFast PHL unit projecting sales of 8,000 unitsbworldonline.com
- PhilSTARメディアVinFast launches online platform for vehicle salesphilstar.com
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSフィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場
フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。
フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】
PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。
フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない
フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。



