PLDTがVITRO REITの上場を2027年へ延期、金利上昇を理由に
KEY POINTS
- ニュースの要点
- PLDTが、データセンター子会社VITRO REITの新規株式公開(IPO)を2027年へ延期しました。10月12日にフィリピン証券取引所へ上場する予定でしたが、その直前の判断です。
- この動きの意味
- 理由として挙げたのは、現在の市場環境と金利の上昇です。売り出す予定だったのは既存株主による19億1,304万3,500株と、追加の2億8,695万6,500株。1株最大11ペソで、最大242億ペソの調達を見込んでいました。発行済株式のおよそ48.95%にあたります。
- 今後の注目点
- 2027年のいつに再設定されるか。金利環境が変わるか。データセンターの稼働率と新規契約。国内初のデータセンターREITという位置づけを他社に取られるか。
PLDTが、データセンター子会社VITRO REITの新規株式公開(IPO)を 2027年へ延期しました。
上場は 10月12日に予定されていました。その直前での判断です。
予定されていた条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 売り出し株数 | 19億1,304万3,500株(既存株主による売却) |
| 追加の売り出し | 2億8,695万6,500株 |
| 価格 | 1株最大11ペソ |
| 調達見込み | 最大 242億ペソ(約603億円) |
| 売り出す持分 | 発行済株式のおよそ 48.95% |
全額が既存株主による売却で、新株の発行はありません。
理由は市場と金利
PLDTが挙げたのは2つです。
- 現在の市場環境が厳しいこと
- 金利が上昇していること
REITは、賃料収入を配当として配る仕組みです。投資家は配当利回りを債券などと比べて判断します。金利が上がれば債券の利回りも上がるため、REITは相対的に見劣りします。この局面で売り出せば、想定より低い価格でしか売れない可能性がありました。
中央銀行は4月から累計0.75ポイント利上げし政策金利は5%、9月の物価上昇率は7.2%と3年半ぶりの高さです。個人向け国債RTB32は7%前後の利率が見込まれていました。
同じ市場環境は、別の案件にも効いています。Myntの公開価格は上限10ペソに対して6.60ペソと34%低い水準で決まりました。売れないわけではないが、値段が付かない。PLDTは価格を下げるのではなく、時期をずらす方を選んだことになります。
事業そのものは続く
PLDTは、この上場を資産の現金化と負債の圧縮の一環と位置づけており、計画自体は維持するとしています。REITの陣容とデータセンター事業の拡大も続けるとしました。
VITRO REITは、証券取引委員会(SEC)とフィリピン証券取引所(PSE)との調整を続け、2027年の売り出しに向けた要件を整えるとしています。
予兆はあった
この延期は、まったくの不意打ちではありませんでした。
10月1日にMGENとVITROが発電所付きデータセンターの共同検討を発表した際、PhilSTARは関係者の話として上場が後日に延期されたと報じています。当時BusinessWorldは第4四半期とのみ記しており、日程の扱いが分かれていました。今回、会社側の開示で確定した形です。
競合から見ると
データセンターをめぐる競争に、時間の余裕ができたのは追う側です。
Globeは2027年に最低10億ドルを投じ、合弁のデータセンター容量を3年で124メガワットへ引き上げる計画を示しています。同社は合弁の上場も資金調達の選択肢の一つとしていました。先行するVITROの上場が1年ずれるなら、国内初のデータセンターREITという位置づけは、まだ誰にも確定していないことになります。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- PhilSTARメディアPLDT defers VITRO listingphilstar.com
- The Manila TimesメディアPLDT defers Vitro IPOmanilatimes.net
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