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フィリピンがバナナの対日関税ゼロを要求、見返りは日本車の関税引き下げ

KEY POINTS

ニュースの要点
日本とフィリピンの経済連携協定(JPEPA)の改定交渉で、フィリピン側がバナナの関税撤廃を求めている。現行は夏季8%、冬季18%である。交渉は8月上旬に始まり、署名は11月を見込む。
この動きの意味
フィリピンは日本のバナナ輸入の約8割を供給しているが、関税ではタイやベトナムに劣後している。見返りとして示しているのが、小排気量の日本車にかかる20%の関税の引き下げで、農産物と自動車を交換する構図になっている。
今後の注目点
11月の署名に間に合うか。バナナの税率がどこまで下がるか。日本車の関税引き下げがどの排気量帯まで及ぶか。他の農産物や労働者の受け入れが交渉に加わるか。

日本とフィリピンの経済連携協定(JPEPA)の改定交渉で、フィリピン側が バナナの関税をゼロにするよう求めています。

現在、日本がフィリピン産バナナにかけている関税はこうです。

時期税率
4月1日〜9月30日8%
10月1日〜3月31日18%

貿易産業省のCristina Roque長官は「最終的には関税ゼロを」としたうえで、「重要なのは、先方がすでに協議に前向きだということです」と述べています。同長官は、この税率が 東南アジアの近隣国より高いとも指摘しました。実際、タイとベトナムはすでにゼロか優遇された税率で日本にバナナを送っています。

日本のバナナの8割は、フィリピン産である

この交渉の重みは、供給の実態にあります。

日本は年におよそ100万トンのバナナを輸入していて、その約8割がフィリピン産です。つまり日本の店頭に並ぶバナナのほとんどが、この関税の対象にあたります。

フィリピン側の生産も戻ってきています。2025年の生鮮バナナの輸出は 293万トンで、前年の233万トンから26%増えました。病害でやられた農園からの回復によるもので、エクアドルに次ぐ 世界2位の輸出国の座を取り戻しています。

見返りに出しているのは、日本車の関税

交渉ですから、フィリピン側も差し出すものがあります。

示されているのは 自動車です。フィリピンは小排気量の車に20%の関税をかけており、この引き下げを提案しています。農産物と自動車を交換するという、通商交渉としては典型的な形になります。

日本の自動車メーカーにとって、この意味は小さくありません。フィリピンの新車販売は1〜7月に24万1,725台と前年同期から10.2%減っており、ペソ安が輸入部品のコストを押し上げている局面です。関税が下がれば、完成車を輸入して売る側の採算は変わります。

20年前の協定を、いま開けている

JPEPAは2006年に署名され、2008年に発効しました。約20年ぶりの見直しになります。

改定交渉は8月上旬に始まりました。首席交渉官は貿易産業省のAllan Gepty次官で、署名は11月を見込んでいます。焦点は農産物と自動車の分野に置かれています。

見るべきところ

日本側から見ると、この交渉は2つの方向に効きます。

ひとつは 調達コストです。バナナの関税が下がれば、輸入する側の仕入れは下がりえます。ただしそれが小売価格に出るかは別の話で、間に入る商社や小売の取り分次第です。

もうひとつが 自動車の輸出条件です。20%の関税が下がる範囲がどこまでかで、どの車種を送るかの計算が変わります。

11月という期限が示されている以上、年内には結論の形が見えます。フィリピンで農産物を扱う事業も、車を売る事業も、この交渉の結果を前提に来年の計画を組むことになります。

SOURCES / 出典

  1. Philippine Daily Inquirerメディア
    PH eyes duty-free banana exports to Japanbusiness.inquirer.net
  2. PhilSTARメディア
    Philippines pushes zero tariffs on banana exports to Japanphilstar.com

参考(本文の補足)

  1. BusinessMirrorReport: PHL vehicle output may fall due to weak peso

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#JPEPA#バナナ#関税#貿易交渉#自動車#日比関係#農産物

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