TESDAの職業訓練に1億ドル、政府委員会がインフラ3件の承認を勧告
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 投資調整委員会・閣僚委員会が3件の事業について承認を勧告した。最終承認は大統領が議長の経済開発評議会が行う。TESDAの1億ドルの職業訓練事業SIPTVETSでは受け入れ機関6か所を移転し、ネグロス島に地域TVET革新センターを新設して計18か所に広げる。
- この動きの意味
- 3件のうち2件は新規承認ではなく、すでに動いている事業の内容や工程の調整である。南北通勤鉄道はマロロス〜クラークが2028年、南側区間が2031年という時期が示され、用地取得は90%が済んでいる。
- 今後の注目点
- 大統領が議長を務める経済開発評議会が最終承認を出すか。マロロス〜クラーク区間が2028年に間に合うか。ネグロス島の新センターがいつ着工するか。長く遅れているボホールの橋が動き出すか。
フィリピン政府の投資調整委員会・閣僚委員会(ICC-CC)が、3件の事業について 承認を勧告した。最終的な承認は、マルコス大統領が議長を務める経済開発評議会が行う。この段階ではまだ決定ではない。
委員会の議長は財務相のFrederick D. Go氏である。
1億ドルは、職業訓練の作り直しに
中心にあるのが、技術教育技能開発庁(TESDA)の SIPTVETS(フィリピン技術職業教育訓練システムの革新支援事業)である。事業費は 1億ドル(約160億円)で、アジア開発銀行のアジア開発基金が資金を出す。
今回勧告されたのは、事業内容の見直しである。
- 受け入れ機関 6か所を、より効率のよい場所へ移転する
- ネグロス島地域に地域TVET革新センター(RTIC)を1か所新設し、合計18か所に広げる
狙いは、職業訓練を修了した人の就職しやすさを上げることと、質の高い課程に手が届く範囲を広げることにある。
Go財務相は「技術職業教育への政府の投資は、フィリピン国民への投資である」と述べています。
職業訓練は、いま複数の動きが重なっている領域である。労働省は韓国のODAで造船の訓練センターをザンバレス州に設ける検討に入っており、そこでもTESDAが相手方になっている。産業側が求める技能と、公的な訓練の中身を合わせにいく作業が同時並行で進んでいる。
南北通勤鉄道は、2028年と2031年
2件目が 南北通勤鉄道(NSCR)である。マニラ首都圏を北のパンパンガ州、南のラグナ州とつなぐ全長147キロメートルの鉄道で、委員会は事業内容の調整を認めた。
現在示されている時期は次のとおりである。
| 区間 | 開業・完成の時期 |
|---|---|
| マロロス〜クラーク | 2028年までに運行開始 |
| 南側区間 | 2031年に完成 |
用地取得は運輸省が必要な範囲の 90%を確保済みとしている。
この事業の規模は大きい。総事業費は約8,736億ペソ(約2兆1,800億円)で、アジア開発銀行がアジア太平洋地域で手がけたインフラ事業としては過去最大とされる。資金は同行と 国際協力機構(JICA) が分担しており、JICAは最大20億ドル(約3,100億円)を車両と、線路・電気・機械といった鉄道システムに充てる。日本の円借款が入っている事業である。
3件目はボホールの橋
残る1件が パングラオ〜タグビララン海上橋(PTCOBC)で、こちらも調整が認められた。ボホール島本島とパングラオ島を結ぶ全長1.03キロメートル、4車線の斜張橋である。資金はフランス政府が出す。長く遅れている事業とされる。
パングラオはビーチと国際空港を持つ観光地で、本島側のタグビラランとの間の移動が事業の目的にあたる。
見るべきところ
3件のうち2件が「新規の承認」ではなく「調整の承認」である点に、この国のインフラ事業の実態が出ている。決まった事業が、費用や工程を組み直しながら進む。
次に確かめるべきは、大統領が議長を務める評議会が最終承認を出すかどうかと、マロロス〜クラーク区間が2028年という時期を守れるかである。
換算は1ドル=155.9円、1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。
SOURCES / 出典
- フィリピン財務省(Department of Finance)政府・規制当局一次情報Investment Coordination Committee approves enhanced TESDA project, expanding quality education and training for Filipinosdof.gov.ph
- Philippine Daily InquirerメディアGov't body approves TESDA, 2 more infra projectsbusiness.inquirer.net
参考(本文の補足)
- International Railway JournalPhilippines project nets $US 1.45bn of ADB funding
- Asian Development BankAsian Development Bank
- JICA国際協力機構(JICA)
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