エネルギー省、鉱区入札の新規則を法廷でも守ると表明、DMCIの提訴に備える
KEY POINTS
- ニュースの要点
- エネルギー省(DOE)のSharon Garin長官が、鉱区入札の新しい規則について、国内最大の炭鉱を持つDMCIグループが裁判に訴えても規則を守る考えを示しました。規則は、契約が切れた運営者に設備などを政府へ引き渡させ、入札は提示額だけで順位を決めるというものです。
- この動きの意味
- 長官は理由に、輸入に頼る石炭を国内で採って国内で使うというエネルギー安全保障を挙げました。前週には在比日本商工会議所も懸念を示しており、政府は外国企業や地場財閥の反対を受けても方針を変えない姿勢を見せたことになります。
- 今後の注目点
- DMCIが実際に提訴するか、裁判所が手続きの停止を命じるかで、セミララ炭鉱の入札の時期が決まります。両省が最終版の規則で資産の引き渡し規定をどう書くかも判断材料です。
フィリピンのエネルギー省(DOE)のSharon Garin長官が、鉱区入札の新しい規則について、裁判で争われても守る考えを示しました。記者団に語ったもので、BusinessWorldとPhilSTARが報じています。
規則は、DOEと環境天然資源省(DENR)の共同行政命令(JAO)です。天然資源の契約をどう評価して誰に与えるかを定め、主に次の2点が争点になっています。
- 既存の契約者や運営者は、契約が切れたとき対象の資産を政府に引き渡す
- 資格を満たした入札者の順位は、提示額だけで決める
PhilSTARによると、DOEは最終版を出す前に法的な影響を詳しく調べています。Garin長官は「すべての参加者に公平な機会を与え、契約から国が得る利益を最大にしたいだけだ」と述べました。
DMCIは「不利なら争う」
この規則にいちばん強く反対しているのが、アンティーケ州セミララ島で国内最大の炭鉱を運営するSemirara Mining and Power(SMPC)です。SMPCの運営契約は2027年に切れ、資産の引き渡し規定は自社を入札から締め出すものだと10月に反論していました。DOEが自社の資産目録をまとめて入札希望者に開示しないよう求める訴えも起こしています。
SMPCの親会社で、建設・鉱業・電力などを手がけるConsunji家の持株会社DMCI HoldingsのIsidro Consunji会長兼CEOは、規則について「当社に不利に働くなら、おそらく争わざるを得ない」と述べています。Garin長官はこれに対し、法廷で規則を弁護する用意があると応じた形です。
長官はSMPCやほかの入札希望者が「我々に不満を持っている」と認めました。そのうえで、規則が裁判で争われ、裁判所から「止めるよう言われれば」、セミララ炭鉱の入札はさらに遅れる可能性があるとも述べています。
- 2026年4月最初の入札を延期
条件を見直すため
- 2026年8月共同行政命令の案
資産の引き渡し規定を盛り込む
- 2026年9月入札を打ち切り
条件を書き直すため
- 2026年10月SMPCが反論
引き渡し規定は自社の締め出しだと主張
- 2026年11月DOEが法廷でも守ると表明
DMCIは提訴を示唆
BusinessWorld、PhilSTAR、当サイトの過去記事から作成。
「採った石炭は国内で使う」
Garin長官が規則を譲らない理由に挙げたのが、エネルギー安全保障です。「中東の戦争があるので、フィリピンで生産・採掘したものはすべて国内で使うよう求めたい。いまは石炭を輸出する余裕はない」と述べました。
PhilSTARによると、フィリピンは石炭の約95%を輸入に頼り、その大半がインドネシア産です。長官は「インドネシアから輸入した石炭を使う仕組みは我々の助けにならない」とも語っています。DOEが入札にかける3つの鉱区には、合わせて約2億700万トンの石炭埋蔵量があると見積もられています。
反対は地場企業だけではありません。前週にはフィリピン日本人商工会議所(JCCIPI)も意見書で懸念を示し、自前で買った設備を引き渡させる規定は外国企業の投資判断に響くと指摘していました。DOEはこうした反対を受けても、提示額で順位を決め、契約が切れた鉱山の資産を国に戻す方針を変えていません。
SOURCES / 出典
- ビジネスワールド(BusinessWorld)メディアDoE ready to defend coal auction rules from DMCI legal challengebworldonline.com
- フィリピン・スター(PhilSTAR)メディアDOE ready to defend new mining bid rules in courtphilstar.com
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