メラルコの配電料率が15年ぶり改定、申請の36%減で決着
KEY POINTS
- ニュースの要点
- エネルギー規制委員会(ERC)が、マニラ電力(メラルコ)の配電料率を15年ぶりに改定しました。2027年の平均配電料率は1kWhあたり1.48ペソ。同社の申請は2.34ペソでした。4年間の収入要件は3,420億ペソ(約8,516億円)で、申請の5,320億ペソ(約1兆3,247億円)より1,900億ペソ、率にして36%低い水準です。
- この動きの意味
- 配電料率は電気料金のうちメラルコの取り分にあたる部分です。2011年を最後に見直しが止まっており、2015年以降は実質的に凍結されていました。今回の改定で、同社は送配電網への投資を計画に織り込めるようになります。ただし利用者から見れば現行1.35ペソからの値上げです。
- 今後の注目点
- 新料率がいつから請求に反映されるか。住宅用の最終的な料率がいくらになるか。メラルコが決定文を精査したうえでどう反応するか。削られた設備投資が供給の信頼性にどう影響するか。
エネルギー規制委員会(ERC)が、マニラ電力(メラルコ)の配電料率を15年ぶりに改定しました。決定が公表されたのは10月10日の土曜日です。
数字
介入者の案は1.60〜1.98ペソ。出典はGMAニュース
4年間の収入要件は次のとおりです。
| 項目 | 金額 | 円換算 |
|---|---|---|
| メラルコの申請 | 5,320億ペソ | 約1兆3,247億円 |
| ERCの承認 | 3,420億ペソ | 約8,516億円 |
| 差 | 1,900億ペソ | 約4,731億円 |
削減率はおよそ 36% です。規制期間は2026年7月から2030年6月まで。案件番号はERC Case No. 2026-016 RCです。
何を削ったのか
ERC委員長のFrancis Saturnino Juan氏は、削った中身をこう説明しています。
正当化されていない設備投資を削り、過大な運営費と貸倒引当金を認めず、資産台帳から予備費と重複した資産を外し、メラルコの提案より低い資本コストを使った
同氏は「認めた1ペソ1ペソが、慎重で、無駄がなく、必要なものでなければならない。利用者が払うのだから」とも述べました。
認めた収入については「より信頼できる送配電網に必要な設備投資を進める明確な道筋をメラルコに与える」とし、新しい変電所と電線、計量の近代化、送配電ロスを下げる手立てを挙げたうえで、「メラルコは結果を出す責任を負う」と付け加えています。
なぜ15年も止まっていたのか
メラルコの配電料率が最後に見直されたのは2011年です。その後、歴代のERCが定期的な料率審査を完了させなかったため、2015年以降は実質的に凍結されていました。
審査が再開したのは、ERCが2025年11月に出した配電ホイーリング料率の合理化規則のもとです。公聴会は2026年3月から5月まで行われました。
凍結の副作用は、別の形でも表に出ていました。メラルコは9月、料率改定の遅れで取りすぎた分として26.4億ペソ(約66億円)の返金を申請しています。
請求額への影響
今回の改定が対象とするのは配電料金だけです。発電費、送電費、税、その他の転嫁される費用は含みません。
Rapplerによれば、メラルコの住宅用の総合料率は9月時点で1kWhあたり14.7424ペソ(約36.7円)でした。月200kWhを使う世帯で、月およそ2,950ペソ(約7,346円)になります。今回の値上げが乗る前の数字です。
新料率がいつから請求に反映されるかは、ERCもメラルコも示していません。住宅用の最終的な料率がいくらになるかも、まだ明らかではありません。
時期の重なり
改定が決まった週は、メラルコをめぐる動きが続いていました。
- 10月8日(木)MPICがメラルコ株を追加取得
サンミゲル系から124億ペソ分。持分は49.4%へ
- 10月9日(金)規制当局が料率改定を承認
メラルコ株は5.3%高の437ペソ。決定の公表は翌日
- 10月10日(土)ERCが公表、メラルコが声明
決定文はまだ受け取っていないとした
MPICによる株式の追加取得の価格は1株580.99ペソ(約1,447円)で、その日の市場価格よりおよそ40%高い水準でした。
メラルコの規制管理責任者であるJose Ronald Valles氏は10日の声明で、決定文をまだ受け取っておらず、会社と利用者への影響を判断するには精査が必要だとしたうえで、「送配電網を近代化し、サービスを高めるための投資と取り組みを進めるうえで、より明確な見通しが得られる」と述べました。同氏は高度計量インフラとサイバーセキュリティへの投資を挙げています。
利用者の側から見ると
値上げが決まったのは、9月の物価上昇率が7.2%と3年半ぶりの高さになった直後です。食品、交通、電気の値上がりが大きい局面でした。
Rapplerは、メラルコが記録的な利益を上げている点も併せて伝えています。2025年の中核利益は506億ペソ(約1,260億円)、2026年上半期の連結中核純利益は265億ペソ(約660億円)で前年同期比3.8%増です。
また、送配電ロス分の電気にかかっていた12%の付加価値税は10月の請求から外れましたが、ロス分の費用そのものは請求に残ったままです。
為替は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)で換算した。
SOURCES / 出典
- GMA News OnlineメディアERC approves Meralco rate reset after 15 yearsgmanetwork.com
- RapplerメディアWith power bills already high, Meralco wins approval to raise own fees after 15 yearsrappler.com
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