フィリピン最高裁、本人の同意なく65歳前に退職させるのは不当解雇と判断
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 最高裁は、ラグナ州の私立学校Colegio de San Juan de Letranが60歳になった財務担当の幹部の雇用を打ち切ったことを不当解雇と認め、未払い賃金、解雇手当、65歳までの勤続に対する退職金の支払いを命じました。決定は6月29日付で、10月27日に公表されました。
- この動きの意味
- フィリピンの労働法では、会社の退職制度や契約に定めがなければ定年は65歳で、60歳からは任意で退職できます。最高裁は、この任意退職は本人が圧力なく自ら同意したときだけ成り立つと明確にしました。60歳で一律に退職させる運用は、制度や個別の合意がなければ通りません。
- 今後の注目点
- この判断を受けて、企業が退職制度や雇用契約で退職年齢を定め直す動きが出るか。労働雇用省が指針などで周知するか。
フィリピンの最高裁判所は、従業員が明確に自ら同意しない限り、法定の定年である 65歳より前に退職させることはできないと判断しました。同意のない早期の退職は不当解雇にあたるとしています。決定は第1小法廷の6月29日付で、最高裁の広報室が10月27日に公表しました。判決文はRamon Paul Hernando判事が書いています。
労働法の決まり
フィリピンの労働法(Labor Code)では、退職の年齢は会社の退職制度や雇用契約の定めに従います。定めがない場合は次のとおりです。
| 区分 | 年齢 |
|---|---|
| 任意退職 | 60歳から |
| 定年(強制退職) | 65歳 |
最高裁は、任意退職を受け入れることは、雇用の保障(正当な理由なく職を失わない権利)を手放すことを意味すると指摘しました。そのため「従業員は圧力や強制なしに、自由にはっきりと同意しなければならない」としています。
60歳で雇用を打ち切られた事案
訴えたのは、ラグナ州にある私立学校Colegio de San Juan de Letranで2004年から財務を担当してきたRodolfo Ondevilla氏です。経理責任者として入り、のちに財務担当の副社長補佐に上がりましたが、2018年の組織再編で経理責任者に戻されました。同氏は降格だと異議を唱えつつ、同じ給与で働き続けていました。
学校は、同氏が60歳になった2019年8月29日で任用が終わったと扱いました。同氏は不当解雇を訴え、労働審判と国家労働関係委員会(NLRC)で勝っています。控訴裁判所も不当解雇を認めましたが、同氏が学校に送った手紙をもとに、2020年7月31日付で退職に同意したと判断していました。
最高裁はこれを退けました。学校は同氏が受けるかどうかを選べる退職の提案をしておらず、手紙は仮払金の返済を求められたことへの返答にすぎないとしています。同氏は一貫して早期の退職に反対し、不当解雇を訴えてもいました。
最高裁は、復職の代わりに未払い賃金と解雇手当を支払うよう命じ、2004年6月16日から65歳になる2024年8月29日までの勤続に対する退職金も認めました。金額は労働審判の部門が計算します。
フィリピンで人を雇う企業にとっては、退職年齢を退職制度や雇用契約で定めていない場合、60歳を理由に雇用を終えるには本人の明確な同意が要ることになります。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアSC: Workers can't be forced to retire before 65bworldonline.com
- RapplerメディアSC: Employees cannot be forced to retire before age 65 without consentrappler.com
- Daily TribuneメディアSC: Workers cannot be forced to retire at 60 without consenttribune.net.ph
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