眠っている硬貨を電子マネーに替える機械が、11月にセブから戻る
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン中央銀行(BSP)が、硬貨を預けると電子マネーの残高や買い物券に替えられる機械を再び設置します。11月17日にセブで始め、2027年1月までに全国50台を目指します。
- この動きの意味
- 同じ仕組みは2023年6月に首都圏で始まりましたが、機械の一次保守などの運用上の問題を抱えて2025年6月に止まりました。今回はSMと組み、硬貨の回収と検証をSM側が担うことで中央銀行の運用費を下げています。
- 今後の注目点
- 11月17日の開始が予定どおりか。50台が2027年1月までにそろうか。前回止まった保守の問題が解けているか。
フィリピン中央銀行(BSP)が、硬貨預け入れ機(CoDM)を再び設置します。硬貨を投入すると、その金額を電子マネーの残高や銀行口座、買い物券に替えられる機械です。
日程と配置
| 最初の設置 | セブ。2026年11月17日(暫定) |
| 全国展開の目標 | 2027年1月までに 50台 |
| 内訳 | 首都圏に25台、残る25台をパンパンガ、バギオ、セブ、ダバオなどに |
BSP副総裁の Bernadette Romulo-Puyat 氏は「硬貨預け入れ機はセブで始めることにしたが、機械は全国に置く」と述べています。
一度止まった仕組み
これは新しい試みではありません。再開です。
- 2023年6月首都圏で開始
大マニラ圏の一部の商業施設に設置
- 2025年6月運用を停止
機械の一次保守などの運用上の問題に対応するため
- 2026年11月セブで再開
保守の体制を整えたうえで戻す
- 2027年1月全国50台へ
首都圏25台、地方25台
BSPの説明にもとづく。
今回の設計で変わったのは 役割の分担です。SMと組み、硬貨の回収と検証をSM側が担います。これまで中央銀行が抱えていた作業で、運用費がかさむ原因でもありました。
なぜ硬貨を集めるのか
問題は、硬貨が 流通に戻ってこないことです。
家庭や店舗に少額の硬貨が滞留すると、銀行や小売の現場で釣り銭が不足します。中央銀行は不足を埋めるために新しい硬貨を鋳造しますが、それには費用がかかります。すでに存在する硬貨を循環に戻すほうが安上がりという理屈です。
同時に、この機械は 硬貨を電子マネーに替える入り口でもあります。BSPは金融サービスへのアクセスの拡大とデジタル決済の普及を政策として掲げており、CoDMはその両方に当たります。
硬貨を集めることと、キャッシュレスを進めることが、同じ機械で両立します。
日系企業にとっての読みどころ
直接の事業機会は限られますが、フィリピンの決済の現在地を示す材料になります。
電子決済の利用は伸びており、GCashを運営する会社は10月に上場します。一方で、硬貨が滞留して釣り銭が足りなくなる現場も同時に存在します。デジタルと現金が並走しているというのが実像です。
小売や飲食でフィリピンに出る企業にとって、釣り銭の調達は日々の実務です。50台という規模で解決する問題ではありませんが、政策の向きは読み取れます。
SOURCES / 出典
- PhilSTARメディアBSP relaunching coin deposit machines in SM mallsphilstar.com
- BusinessMirrorメディアBSP eyeing 50 coin deposit machines, partners with SMbusinessmirror.com.ph
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