フィリピンでApple Payが始動、UnionBankは登録が急増と説明
KEY POINTS
- ニュースの要点
- Apple Payが2026年8月にフィリピンで始まった。最初に参加したのはUnionBank、China Banking Corp.、GoTyme Bank、Metrobankの4行。UnionBankはデビットとクレジットの両方でカード登録が急増したと説明している。
- この動きの意味
- フィリピンの小売取引に占めるデジタル決済の割合は2025年で約65%まで来ている。同行の担当役員は年内に75〜80%へ近づく可能性を指摘した。物理カードを持ち歩かない決済が広がると、電子ウォレットとカードの境目が薄くなる。
- 今後の注目点
- 登録数と実際の利用額。参加銀行が増えるか。当媒体が伝えたPalawanPayなど電子ウォレット側のApple Pay対応がいつ来るか。交通機関での利用が伸びるか。
Apple Pay が8月にフィリピンで始まった。最初に対応したのは UnionBank、China Banking Corp.、GoTyme Bank、Metrobank の4行である。
アボイティス系のUnionBankは、開始後にカードの登録が急増したとしている。同行の最高マーケティング・体験責任者 Albert Cuadrante 氏が The STAR の取材に語った。
顧客がApple Payの開始をとても喜んでくれたことがうれしい。デビットとクレジットの両方で登録が急増したことに表れているし、決済に成功した動画をオンラインに投稿する利用者もいる。
登録の具体的な数は公表していない。カード取引全体に占める割合を見積もるのは時期尚早だとしている。
小売の65%はすでにデジタル
背景にある数字を置く。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 小売の取引件数に占めるデジタル決済の割合(2025年) | 約65% |
| 同・2026年末の見通し(Cuadrante氏) | 75〜80%に近づく可能性 |
| デジタル決済に占める加盟店での支払いの割合(2025年) | 74% |
Cuadrante氏は、Apple Payがカードの利用頻度を上げ、物理カードを使う取引を少しずつ置き換える とみている。同行の手数料収入への影響については「普及が進めば、そうなるはずだ」と述べた。
Apple Watchのような装着型の機器で使えることから、交通機関での利用 が伸びる可能性も挙げている。
電子ウォレットとの距離
フィリピンの決済は電子ウォレットが先行してきた。当媒体は8月に、電子ウォレットのPalawanPayが物理のVisaカードを年内に出す計画を伝えた。同社はGoogle ウォレットには2026年6月に対応済みで、Apple Payは「数か月先」としている。
銀行はカードをスマホに載せ、電子ウォレットは物理カードを出す。両側から同じ場所に向かっている。
円換算は2026年8月21日時点のレート(1ドル=159円、1ペソ=2.6円)による目安です。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアApple Pay seen to lift UnionBank card usagephilstar.com
- PHILIPPINES STARTUPメディア電子ウォレットのPalawanPay、物理Visaカードを2026年第4四半期に投入へphilippines-startup.biz
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTS三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか
日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。
600社が使ったSalariumは2023年にサービスを無期限停止、倒産も解散もしていない
フィリピンで勤怠から給与の振り込みまでを1つで担っていたSalariumは、2019年時点で約600社が使い、2021年までに2万社へ広げると語っていた会社でした。2023年8月に利用企業が資金を引き出せなくなり、12月31日にサービスを無期限で停止します。ただし倒産も解散もしていません。法人はいまも登記に残ったままです。何が起きたのかをたどります。
2025年のフィリピン最大の資金調達は5億円。それを超えるお金が国外から来る理由
Forbes Asiaの「100 to Watch」に、フィリピンから2社が入りました。並べてみると、フィリピンで大きな資金を集めた会社には共通点があります。お金を出しているのが、ほぼ全部フィリピンの外の投資家です。理由は起業家の考え方ではなく、国内のベンチャーファンドの大きさにありました。



