PHILIPPINES STARTUP

BPIが50億ペソ以上のサステナビリティ債、頭取は10〜12月も利益横ばいと予想

KEY POINTS

ニュースの要点
アヤラ財閥系のBPIは、環境・社会事業に充てる期間1年9か月のサステナビリティ債を50億ペソ(約125億円)以上公募します。募集は11月23日〜12月4日で、12月16日に発行・上場の予定です。
この動きの意味
同じ日に頭取は、物価高で消費者の負担が増しているとして引当金を積み、10〜12月の利益は7〜9月並みにとどまるとの見方を示しました。大手銀行が消費者向け融資の傷みを利益見通しに織り込み始めています。
今後の注目点
金利と最終的な発行額がいくらになるか。10〜12月の引当金と不良債権比率が7〜9月からさらに上がるか。ほかの大手銀行も引当を増やすか。

アヤラ財閥系の大手銀行BPI(Bank of the Philippine Islands)は、環境・社会事業に充てるサステナビリティ債を 50億ペソ(約125億円)以上公募すると発表しました。需要に応じて増額できる条件が付いています。

項目内容
名称BPI SIBOL債(Sustainable Impact Building Our Legacy)
発行額50億ペソ以上(増額可)
期間1年9か月(2028年満期)、固定金利
募集期間11月23日〜12月4日
発行・上場12月16日、フィリピン・ディーリング取引所(PDEx)
主幹事BPI Capital、ING Bank マニラ支店
金利未公表

期間の1.75年は、創業175周年にちなんだものです。2,000億ペソ(約5,000億円)の社債・短期社債(CP)の発行枠の3回目にあたります。調達した資金は、同行の基準に沿った環境・社会事業への融資や借り換えに使います。証券取引委員会(SEC)は10月20日、この債券に「ASEANサステナビリティ債」の名称を付けることを認めました。SECへの登録は法律の規定で免除されており、預金保険の対象ではありません。

引当金が利益を押し下げている

BPIのJose Teodoro Limcaoco頭取は26日、記者団に対し、10〜12月の利益は7〜9月と同程度になるとの見通しを示しました。「インフレ、燃料高、食料高で消費者に負担がかかっている。慎重を期すなら、引当金を積まなければならない」と述べています。

1〜9月の純利益は前年同期比3.2%減の489億ペソ(約1,200億円)でした。貸し倒れに備える引当金が 69.2%増の199億ペソ(約500億円)に膨らんだためです。7〜9月の引当金は前四半期より16.5%減りましたが、不良債権比率は前四半期から上がって2.5%になりました。

それでも頭取は消費者向けの融資を続ける方針で、「消費者はこの国の成長分野だ」と話しています。ただし、物価高が借り手の家計に響いているため、融資はより慎重に出すとしています。来年については「中東危機とエルニーニョが過ぎればインフレが下がり、中央銀行は利下げできる」とみています。中央銀行は10月に0.5ポイントの利上げをしたばかりです。

換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。

SOURCES / 出典

  1. PhilSTARメディア
    BPI raising at least P5 billion via new sustainability bondsphilstar.com
  2. マニラ・タイムズ(The Manila Times)メディア
    BPI sets P5B Sibol bond offer; sees flat Q4 incomemanilatimes.net

SHARE

#BPI#アヤラ#サステナビリティ債#社債#銀行#決算#引当金

同じカテゴリーのNews

RELATED

この動きを読み解くInsights

INSIGHTS

三井住友は、なぜフィリピンの同じ財閥に5年で4回も出資したのか

日本の三井住友グループが、フィリピンで5年に4回、同じ企業グループの会社に出資しています。銀行に3回、そのリース会社、そして風力発電会社。フィリピンでは外国企業が銀行を100%買えるのに、三井住友は4分の1弱で止めています。買い取るつもりがないなら、何を狙っているのか。会社そのものより、その財閥が持つ顧客基盤でした。

トレンド

フィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場

フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。

市場分析

フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】

PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。