フィリピンのクリエイティブ産業が2.12兆ペソ、GDPの7.6%に
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 貿易産業省(DTI)によると、フィリピンのクリエイティブ経済の規模は2.12兆ペソに達し、GDPの7.6%を占めます。創作物の輸出は財が3,200億ペソ、サービスが4,270億ペソで、合計7,470億ペソです。
- この動きの意味
- ゲーム開発やアニメーションを含むデジタルインタラクティブ分野が全体の5分の1近くを占め、2027年には26億ドルに達すると見込まれています。DTIは2026年のASEAN議長国という立場を使い、この産業を地域の輸出・投資の基盤に育てようとしています。
- 今後の注目点
- 11月の第49回ASEAN首脳会議で署名予定のデジタル経済枠組み協定(DEFA)が実際に動くか。ASEANクリエイティブ産業センター(ACE-CI)がフィリピンに置かれるか。2030年までにアジアの拠点という目標にどこまで近づくか。
貿易産業省(DTI)が、フィリピンのクリエイティブ経済の規模を 2.12兆ペソと発表しました。GDPの7.6%にあたります。日本円にしておよそ5兆2,800億円です。
公表は、タギッグ市のSMXコンベンションセンターAuraで9月24日に開幕した第1回ASEANクリエイティブ産業博(ASEAN MPEx)の場でした。
輸出の内訳
合計7,470億ペソ。日本円でおよそ1兆8,600億円
財よりサービスのほうが大きいのが特徴です。デザイン、広告、アニメーション制作、受託開発といった役務の輸出が、物としての工芸品や出版物を上回っています。
DTIによると、ゲーム開発やアニメーションを含むデジタルインタラクティブ分野は創作物全体の産出の 5分の1近くを占め、2027年には26億ドルに達すると見込まれています。
ASEAN議長国という立場を使う
DTI長官のCristina Roque氏は、2026年にフィリピンがASEANを率いる立場を使って「国内のクリエイティブ人材を地域の輸出の原動力に変える」と述べ、これが2030年までにアジアのクリエイティブ拠点という位置づけを固めることにつながるとしています。
同氏はまた「今年ASEANを離れるにあたり、今こそ国内と世界の両方の舞台で輝くときだ」「クリエイティブ経済を、貿易と観光をふたたび引っ張る力として活用しよう」とも語りました。
制度の側では、2つの仕掛けが動いています。
- デジタル経済枠組み協定(DEFA) — 11月の第49回ASEAN首脳会議で署名予定。越境決済、データ流通、知的財産の保護を扱う、地域全体としては初のデジタル貿易協定とされています
- ASEANクリエイティブ産業センター(ACE-CI) — 政策研究、人材育成、市場開拓の地域拠点として、フィリピンへの設置が構想されています
9つの領域が並んだ
ASEAN MPExは、DTIがフィリピン・クリエイティブ産業開発評議会事務局を通じて主催したものです。扱った領域は9つでした。
視聴覚メディア、クリエイティブサービス、文化施設、デジタルインタラクティブメディア、デザイン、舞台芸術、出版・印刷、伝統的文化表現、視覚芸術。会場にはASEAN Malikhaing Pinoy館、政府サービス館、ココナッツ産業館のほか、2025年大阪・関西万博でのフィリピン出展の予告展示と、観光省と組んだフィリピン美食の企画が置かれました。
この数字をどう読むか
2.12兆ペソという額は、フィリピン経済のなかで無視できない大きさです。ただし「クリエイティブ経済」の定義は広く、9領域を合算した数字である点は踏まえておく必要があります。
日本の事業者にとって実際に接点が生まれやすいのは、輸出サービス4,270億ペソの側です。アニメーション制作、ゲーム開発、デザイン、映像後処理の委託先としてフィリピンを見る場合、この分野が2027年に26億ドルという見通しは、供給側の厚みが増すという話になります。英語が通じることと、IT-BPM産業が積み上げてきた受託の運営ノウハウが背景にあります。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安である。26億ドルは発表どおりドル建てで記載し、換算していない。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアCreative sector hits P2.12T as DTI eyes regional export growthbworldonline.com
- The Manila TimesメディアDTI positions PH creative sector to drive regional exports, digital economymanilatimes.net
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