電子ウォレットの接続を切られたPAGCOR、今年の純利益は91%減の見通し
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)が、2026年の純利益が前年の174億7,000万ペソから91%減って16億6,000万ペソ(約43億円)にとどまる見通しを議会の予算審議で示した。総収入も18%減の869億5,000万ペソ(約2,261億円)を見込む。
- この動きの意味
- 最大の要因は決済の側にある。上院の要請を受けて中央銀行がオンライン賭博と電子ウォレットの接続を断ったところ、賭博の利用が約40%落ちた。決済の配管をどこにつなぐかという判断が、国営企業の利益をほぼ消した形になる。
- 今後の注目点
- 年末の繁忙期で回復するか。2027年の見通し(純利益19億1,000万ペソ)が達成されるか。接続の遮断が恒久化するか。
フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)が、2026年の純利益を 16億6,000万ペソ(約43億円) と見込んでいることを議会の予算審議で示した。前年の174億7,000万ペソ(約454億円)から 91%減 になる。
総収入も18%減り、前年の1,060億3,000万ペソ(約2,757億円)から869億5,000万ペソ(約2,261億円)になる見通しである。
1年前に決済の接続を切られた
Alejandro Tengco 会長兼最高経営責任者が挙げた要因のひとつは、決済の配管 だった。
さかのぼると、中央銀行(BSP)が動いたのは2025年8月14日である。上院のゲーム・娯楽委員会の公聴会で、Mamerto Tangonan副総裁が、監督下の金融機関に対して オンライン賭博サイトへ誘導するアイコンとリンクをすべて48時間以内に外すよう命じた と表明した。金融政策委員会が承認した方針で、日曜までに電子ウォレットと賭博基盤の接続を断つよう求めるものだった。
GCashとMayaは指示に従った。
その結果について、Tengco氏はこう説明している。
実施後、賭博の利用がおよそ40%の下落を経験した。以前のように基盤がつながっていたときほど簡単ではなくなったからだ。
つまり2026年は、電子ウォレットとつながっていない状態で通年を過ごす最初の年 にあたる。2025年の純利益174億7,000万ペソには、遮断前の7か月半あまりが含まれていた。今回の91%減は、その差が丸ごと出た数字である。
変更の中身は、賭けるための入金が数回のタップで済まなくなった、というだけのものだった。それが4割の減少につながっている。決済の摩擦は、そのまま需要の大きさを決めている。
もう一つの要因は物価
2026年前半に一度は持ち直したものの、中東情勢による物価の上昇が重なった。Tengco氏によれば、この影響を強く受けたのは オンライン部門の利用者、所得階層でいうC・D・E層だった。実店舗のカジノと合わせて打撃を受けている。
明るい材料として、統合型リゾートへの観光客の来訪が7月末から8月初めにかけてわずかに上向いていることを挙げた。年末に向けた繁忙期での回復に期待をかけている。
2027年については、純利益が14.8%増の19億1,000万ペソ(約50億円)に戻ると見込む。総収入は883億4,000万ペソ(約2,297億円)を目標にしている。
当媒体は8月に、POGO(海外向けオンライン賭博)の禁止後に残った税務の後始末を取り上げた。規制の変更が生む金額は、事業そのものの禁止よりも、決済の遮断のほうが大きく出ている。
円換算は2026年8月21日時点のレート(1ドル=159円、1ペソ=2.6円)による目安です。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアPAGCOR income seen to drop 91%philstar.com
- GMA News OnlineメディアBSP gives e-wallets 48 hours to unlink from online gambling sitesgmanetwork.com
参考(本文の補足)
- PHILIPPINES STARTUP中国系POGO運営者への脱税追及、フィリピンで続く
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