マニラ首都圏の水道料金が10月から上がる、ペソ安が請求書に回る
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 首都圏上下水道庁の規制局が、MayniladとManila Waterの10〜12月分の外貨差調整(FCDA)を承認しました。10月1日から、Mayniladが1立方メートルあたり0.24ペソ、Manila Waterが0.08ペソ上がります。
- この動きの意味
- FCDAは、両社が設備投資に使った外貨建て債務の返済コストが為替で動いた分を四半期ごとに料金へ反映する仕組みです。ペソ安がインフラ料金として家庭と企業に回ってくる、その経路そのものです。
- 今後の注目点
- ペソの水準が続いたとき、来期のFCDAがどこまで上がるか。電気料金の発電費と合わせた光熱費全体の動き。両社の外貨建て債務の残高が今後どう動くか。
フィリピンの 首都圏上下水道庁(MWSS)の規制局が、水道2社の 10〜12月分の料金引き上げを承認しました。適用は 10月1日からです。
理事会の承認は8月7日に行われています。
| 引き上げ幅(1立方メートルあたり) | |
|---|---|
| Maynilad(西地区) | 0.24ペソ(約0.60円) |
| Manila Water(東地区) | 0.08ペソ(約0.20円) |
使用量ごとの請求額への影響はこうなります。
| 月間の使用量 | Mayniladの増加 | Manila Waterの増加 |
|---|---|---|
| 10立方メートル以下 | +0.67ペソ(約1.7円) | +0.34ペソ(約0.8円) |
| 20立方メートルまで | +2.54ペソ(約6.3円) | +0.75ペソ(約1.9円) |
| 30立方メートルまで | +5.19ペソ(約12.9円) | +1.53ペソ(約3.8円) |
金額としては小さいものです。ただし なぜ上がるのかのほうに意味があります。
FCDAという仕組み
今回の引き上げは、外貨差調整(FCDA)という仕組みによるものです。
水道の2社は、配管や浄水場といった設備投資の資金を外貨建ての借入で調達してきました。ペソが下がると、その返済に必要なペソの額が増えます。FCDAは、その増減を四半期ごとに料金へ反映する制度です。ペソが上がった期には料金が下がることもあり、実際に2026年7月には引き下げが行われています。
つまり為替の変動リスクは、事業者ではなく利用者が負う設計になっています。
ペソは9月に1ドル62ペソ台の史上最安値をつけたままです。同じ構図は電気にもあります。Meralcoの9月の料金では、発電費がペソ安と燃料高で1kWhあたり0.4232ペソ上がりました。水道と電気の両方で、為替が請求書に回ってきています。
どの地域が対象か
2社の営業区域は分かれています。
- Maynilad(西地区):マニラ首都圏とカビテ州の17の市町
- Manila Water(東地区):マリキナ、パシッグ、マカティ、タギッグ、パテロス、マンダルヨン、サンフアン、ケソン市とマニラの一部、およびリサール州の町
マカティとタギッグ(ボニファシオ・グローバル・シティを含む)は東地区です。首都圏に事務所を置く日系企業の多くは、Manila Water側の0.08ペソの引き上げに当たります。
換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアMaynilad, Manila Water to introduce last-quarter rate hikebusiness.inquirer.net
- PhilSTARメディアHigher water bills coming next monthphilstar.com
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