LPGと灯油の物品税を再び止める案、財務省がエネルギー省の認定待ち
KEY POINTS
- ニュースの要点
- フィリピン財務省が、LPGと灯油の物品税を全額停止する第2弾を準備しています。原油が1バレル100ドルを超えたことを受けたもので、エネルギー省がドバイ原油の価格が基準を超えたと認定すれば、予算調整委員会に提案します。
- この動きの意味
- 共和国法12316号は、ドバイ原油の前月平均が80ドル以上になったとき大統領が物品税を停止できると定めています。4月に一度発動して6月に自動で終わっており、同じ引き金が半年で2度引かれることになります。
- 今後の注目点
- エネルギー省の認定が出るタイミング。前回50億ペソ規模とされた税収減を財政がどう受け止めるか。軽油とガソリンを対象外に置く判断が維持されるか。
フィリピン財務省が、LPGと灯油の物品税を全額停止する第2弾を準備しています。世界の原油価格が1バレル100ドルを超えたことを受けたものです。
財務省の Frederick D. Go 財務相は、エネルギー省(DOE)がドバイ原油の価格が基準を超えたと認定するのを待っている段階です。認定が出れば、予算調整委員会(DBCC)に100%の停止を提案し、大統領の承認を求めるとしています。
引き金は1バレル80ドル
仕組みは法律で決まっています。共和国法12316号は、シンガポール市場の平均価格(MOPS)にもとづくドバイ原油の前月平均が1バレル80ドル以上になったとき、DBCCの勧告により大統領が燃料の物品税を停止または引き下げられると定めています。停止できる期間は最長3か月です。
同じ引き金は、すでに一度引かれています。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2026年4月10日 | エネルギー省がドバイ原油の30日平均を 1バレル93.71ドルと認定 |
| 2026年4月16日 | 大統領令114号に署名。LPGと灯油の物品税を3か月停止 |
| 2026年6月 | ドバイ原油の1か月平均が 79.45ドルまで下落 |
| 2026年7月8日 | 基準を下回ったため、税率が自動的に元へ戻る |
| 2026年9月10日 | 原油の再上昇を受け、財務相が第2弾を求める |
半年のあいだに、同じ制度が2度動くことになります。
前回はいくら下がったのか
4月の停止で下がった額は、次のとおりです。
- LPG:11キロのボンベ1本あたり 37ペソ(約92円)
- 灯油:1リットルあたり 5.65ペソ(約14円)
対象から外れているのは、石油化学製品の原料や動力用に使うLPGと、航空燃料に使う灯油です。
軽油とガソリンは、そもそも対象に入っていません。理由は財政側の判断です。経済計画相の Arsenio Balisacan 氏は、軽油とガソリンの税を止めない点について「富裕層はそれを吸収できる」と述べています。灯油とLPGは調理や小規模な事業で使われる比重が高く、対象を絞ることで低所得層に効かせる設計です。
財務省は、前回の停止による税収の減少を 500億ペソ(約1,245億円)としていました。
足元の燃料価格
今週のフィリピン国内の値上げ幅は、灯油が1リットルあたり5.58ペソ、ガソリンが4.69ペソ、軽油が5.18ペソでした。軽油とガソリンの店頭価格は、1リットルあたり80〜100ペソの範囲に入っています。エネルギー省は、価格は上がっているものの国内の供給は十分だとしています。
日系企業にとっての読みどころは、この制度が「発動しっぱなし」ではなく、原油価格に連動して入ったり出たりするという点です。物流費や工場の燃料費を見積もるとき、税率が四半期の途中で変わりうることを前提に置く必要があります。9月15日にも1リットルあたり最大5ペソの値上げが見込まれています。
換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアDOF cues revival of kerosene, LPG tax reliefbusiness.inquirer.net
- SunStarメディアDOF awaits DOE certification for fuel tax suspensionsunstar.com.ph
参考(本文の補足)
- SunStar(P&A Grant Thornton)Tax Notes: Temporary suspension of excise taxes on LPG and kerosene under RR 3-2026
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