情報通信技術省のAguda長官が辞任、「幽霊インターネット」の捜査が背景に
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 情報通信技術省(DICT)が10月12日、Henry Rhoel R. Aguda長官の辞任を認めました。辞任を先に明かしたのはオンブズマンのJesus Crispin C. Remulla氏で、公共の無料インターネット事業をめぐる「幽霊インターネット」の問題が背景にあるとしています。
- この動きの意味
- 同省は通信政策、公共Wi-Fi、行政のデジタル化、人工知能の活用を所管します。Aguda長官は2025年3月の就任以来、通信各社の設備投資の集計やAI基盤の国家計画を進めてきました。後任も職務代行も、現時点で発表されていません。
- 今後の注目点
- 後任の人選。オンブズマンの捜査が誰まで及ぶか。進行中のデジタル政策(AI基盤の国家計画、公共Wi-Fiの監視ツール)が止まらないか。Aguda氏本人に関する捜査の結論。
情報通信技術省(DICT)が10月12日、Henry Rhoel R. Aguda 長官の辞任を認めました。
Aguda氏は声明で「情報通信技術省の長官として務める信任と機会をいただいたことに、Ferdinand Marcos, Jr.大統領へ心からの感謝を申し上げる」と述べています。
経緯
- 10月7日辞任の噂を否定
「職務の遂行に集中している」と述べていた
- 10月10日(土)オンブズマンが明かす
ラジオ番組で「辞任し、受理された」と発言
- 10月12日(月)同省が辞任を認める
Aguda氏の声明を公表。後任は未定
最初に辞任を明かしたのは、オンブズマンの Jesus Crispin C. Remulla 氏でした。10月10日、自身のラジオ番組「Executive Session」で「彼は辞任した。そして辞任は受理された」と述べています。
その3日前、Aguda氏は辞任の噂を知ったうえで「職務の遂行に集中している」と述べ、続投の意向を示していました。
「幽霊インターネット」とは何か
背景にあるのは、政府が公共の場に整備してきた無料インターネット接続事業をめぐる捜査です。
オンブズマンが調べているのは、おおむね次の点です。
- 契約した設置場所に、実際に設備が入り、動いているか
- 提供されていない役務に対して政府が支払っていないか
- 機器・ソフトウェア・役務の価格が水増しされていないか
- 未納入の事業に支払いを承認・証明・実行したのは誰か
フィリピン・スターによれば、業者が安価だったり古かったり偽物だったりするソフトウェアを入れながら、政府には正規の価格を請求していた疑いがあります。ソフトウェアの真正性が確認されていなかったため、水増しや不備が表に出にくい構造だったとされます。
同省は9月、無料Wi-Fi設置場所の稼働状況を監視する道具を出す方針を示していました。幽霊事業の報道を受けたものです。
現時点で、Aguda氏本人の不正が認定されたという報道はありません。
もう一つの逆風
Aguda氏の退任は、同省の施策への批判が続いた後でもありました。
9月にDiscordを遮断して数日で解除した一件です。遮断を命じたのは同省の付属機関であるサイバー犯罪捜査調整センターで、理由は暴力的過激主義や児童の誘引といった安全上の懸念でした。学校での銃撃事件に関するオンライン上の動きを調べた結果だとされます。
遮断は1日と経たずに解除されました。Discord側が児童保護の強化と当局への協力に応じたためです。ただし、業務でDiscordを使う層やゲーム利用者からの反発は残りました。
在任中に動いていたこと
Aguda氏は2025年3月に就任し、前任はIvan John E. Uy氏でした。1年半ほどの在任です。
同省は声明で、同氏のもとでデジタル接続の拡大、サイバーセキュリティとデータ保護の啓発、行政のデジタル化、人工知能など新しい技術の活用が進んだとしています。
在任中の主な動きには次があります。
空席のまま
Marcos大統領は後任をまだ指名しておらず、同省も職務代行を明らかにしていません。
日本企業にとっては、通信・データセンター・行政システムの許認可や調達に関わる窓口です。人が決まるまでは、進行中の計画がどこまで維持されるかが読みにくくなります。
本記事は人事と捜査を扱い、金額の記載が主題でないため為替換算を行っていない。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアDICT confirms Aguda's resignationbworldonline.com
- The Philippine StarメディアMarcos accepts DICT chief's resignationphilstar.com
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