情報通信技術省の新長官に社会保障機構のde Claro氏、「3か月で計画を出す」
KEY POINTS
- ニュースの要点
- マルコス大統領が10月13日、情報通信技術省(DICT)の新長官に社会保障機構(SSS)総裁のRobert Joseph Montes de Claro氏を指名しました。国会の承認を前提とする暫定任命(ad interim)です。前任のHenry Aguda氏は先週辞任しました。
- この動きの意味
- de Claro氏はコンピューター科学の出身で、ユニオンバンクとPLDTの取締役、UnionDigital Bankの会長を務めてきました。民間の技術系企業の経営経験もあります。同氏は就任にあたり「省の事業・予算・調達をすべて精査する」と述べました。前任の辞任が調達をめぐる捜査を背景にしていることを踏まえた発言です。
- 今後の注目点
- 3か月後に示されるとしている方針の中身。進行中の事業(AI基盤の国家計画、公共Wi-Fi)の扱い。未成年者のSNS規制に対する姿勢。国会の承認。
マルコス大統領が10月13日、情報通信技術省(DICT)の新長官に Robert Joseph Montes de Claro 氏を指名しました。マラカニアン宮殿で報道各社の団体の就任宣誓が行われた後の発表で、同氏はその日のうちに宣誓しています。
新しい情報通信技術省長官の暫定任命にはすでに署名した。Robert Joseph Montes de Claro氏だ
任命の形は ad interim(国会の承認を前提とする暫定任命)です。
誰なのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 直前の職 | 社会保障機構(SSS)総裁・最高経営責任者 |
| 学歴 | デ・ラ・サール大学 コンピューター科学(情報技術専攻) |
| 社外の役職 | ユニオンバンク取締役、PLDT取締役 |
| 民間での経歴 | People4u社の社長兼CEO、JMango Philippines社の社長兼ゼネラルマネージャー |
社会保障機構には2023年に加わり、情報技術・徴収に関する委員会の委員長を務めてきました。同機構の社会保障委員会では、投資、リスク管理と年金数理、拠出と徴収、企業統治の各委員会にも入っています。
マルコス大統領は、同氏が「デジタル経済とデジタルの世界について、非常に強い経歴を持っている」と述べました。
何をすると言っているか
de Claro氏は就任にあたり、次のように述べています。
情報通信技術省のすべての事業、予算、調達を徹底的に見直す
今後3か月のうちに、省をあるべき場所へ導くための明確な計画を示すと国民に約束する
「調達」を名指しした点に意味があります。前任のHenry Aguda氏の辞任は、公共の無料インターネット事業をめぐる「幽霊インターネット」の捜査が背景にありました。契約した設備が実際に入っているか、価格が水増しされていないかが争点です。
SNS規制について
de Claro氏は、未成年者のSNS利用規制について「予防が最善の治療だ」と述べました。
また、ニヒリスティック・バイオレント・エクストリーミズム(NVE、虚無的な暴力的過激主義)を「明白かつ差し迫った危険」と呼び、子どもを守れる組織と連携しつつ警戒を強める必要があるとしています。
この問題は前任者の退任につながった論点でもありました。同省の付属機関がDiscordを遮断し、1日と経たずに解除した一件です。遮断の理由は、学校での銃撃事件に関連したオンライン上の動きの調査でした。
同じ日にもう1人
同じ発表で、大統領府広報室(PCO)の長官にLino Cayetano氏が指名され、de Claro氏と並んで宣誓しました。同氏はPTV(国営放送)のゼネラルマネージャーを務めた人物で、マルコス政権下で6人目の広報室長になります。
日本企業が見るところ
情報通信技術省は、通信、データセンター、行政システムの政策と調達に関わる省です。通信4社の設備投資の集計やAI基盤の国家計画を所管してきました。
新長官が最初に掲げたのが「事業・予算・調達の精査」である以上、進行中の案件がいったん止まる可能性があります。3か月という期限が示されているのは、その点では読みやすい材料です。
本記事は人事を扱い、金額の記載が主題でないため為替換算を行っていない。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアSSS chief is new interim DICT secretaryphilstar.com
- GMA News OnlineメディアSSS chief De Claro is new DICT secretary, says Marcosgmanetwork.com
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSフィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場
フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。
フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】
PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。
フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない
フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。



