台湾の貿易振興トップが、フィリピンを半導体後工程の拠点候補に挙げた
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 台湾貿易センター(TAITRA)のJames Huang会長が、フィリピンはASEANで半導体の後工程(パッケージング)の拠点のひとつになりうると述べました。マニラで開かれた台湾Expo 2026での発言です。
- この動きの意味
- 理由として挙げたのは、英語が通じる人材です。米国の顧客を抱える台湾企業にとって、そこが利点になるという見方です。供給網の再編で、台湾企業がフィリピンでの事業を検討し始めているとしています。
- 今後の注目点
- 実際に台湾企業の投資案件が出てくるか。Pax SilicaやAI拠点の構想に台湾がどう関わるか。半導体の後工程の企業がどこに立地するか。
台湾の貿易振興機関である 台湾貿易センター(TAITRA)の James C. F. Huang 会長が、フィリピンについてこう述べました。
ASEANで半導体の後工程(パッケージング)の拠点のひとつに育つ可能性がある。
9月17日にマニラで開かれた 台湾Expo 2026での発言です。
理由は人材
Huang会長が挙げた理由は、意外なものでした。英語が通じることです。
台湾の半導体企業の多くは、米国に顧客を抱えています。その顧客とやり取りする拠点として、英語で仕事ができる人材がいることは実務上の利点になる、という見方です。
世界の供給網が組み替えられるなかで、台湾企業がフィリピンでの事業を検討し始めているとしています。とくに言語の面での優位がある分野で、という限定つきです。
Pax Silica への言及
もうひとつの論点が、米国主導の構想 Pax Silicaです。
Huang会長は、これを「志を同じくする民主主義国にとって、非常に、非常に重要な同盟」だとし、「シリコンと半導体の協力の強い同盟」を築くものだと述べました。そのうえで、台湾とフィリピンは「Pax Silicaのなかで互いを支える相手になりうる」としています。
ルソン経済回廊で構想されているAI拠点についても言及がありました。
「台湾は非常に、非常に重要な相手になる。我々は、最も完全で最も進んだ人工知能の供給網の生態系を持っているからだ」
前工程は台湾に置いたまま、後工程をフィリピンにという分業の形が、この発言の含みです。
台湾Expo 2026
発言の場となった催しの規模は次のとおりです。
| 会期 | 2026年9月17〜19日 |
| 会場 | SMXコンベンションセンター・マニラ |
| 出展企業 | 125社(台湾企業) |
| 分野 | AI、スマート製造、再生可能エネルギー、医療、農業、食品、消費財 |
| 前回(2025年)の成果 | 5,340万ドル(約83億円)の商談 |
Huang会長は、台湾とフィリピンの関係の土台は「信頼」にあるとし、交流が産業の供給網を超えて消費財やサービスにも広がっているとしました。
日系企業にとっての読みどころ
読みどころは、同じ場所を、日本以外の国も見ているという点です。
フィリピンの電子部品は最大の輸出品目で、すでに日系の電子部品メーカーが集積しています。ルソン経済回廊には13の国と機関が参加しており、既存の工業団地が受け皿として名乗りを上げているところです。
そこに台湾が、半導体の後工程という具体的な機能を挙げて関心を示しました。実際の投資になるかは別の話ですが、人材と用地の取り合いという観点では、先に押さえておく価値のある動きです。
換算の基準は1ドル155.9円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- PhilSTARメディアPax Silica could boost Taiwan-Philippines tech ties, Taiwan trade chief saysphilstar.com
- Dot Daily DoseメディアTaiwan Expo 2026 brings 125 firms to Manila amid push to modernise key Philippine industriesdotdailydose.net
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