光回線のConverge、1〜9月は9%減益の81億ペソ、法人向けの売上は22%伸びる
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 光回線大手Convergeの2026年1〜9月の純利益は前年同期比9%減の81億ペソでした。売上高は3.9%増の342億ペソで、EBITDA(利払い・税・償却前利益)の利益率は58%でした。
- この動きの意味
- 契約数は310万に増えましたが家庭向けの売上はほぼ横ばいで、伸びは法人向けに移っています。物価高で家庭の通信費が伸びにくいなか、データセンターや大口の法人契約に収益源を広げる段階に入りました。
- 今後の注目点
- 通年の設備投資計画170億〜200億ペソに対し、1〜9月の実績は99億ペソです。10〜12月に投資が積み上がるか、2027年に契約数400万という目標に向けて家庭向けの売上が再び伸びるかを見ます。
光ファイバー回線大手のConverge ICT Solutionsの2026年1〜9月の純利益は 81億ペソ(約200億円)で、前年同期の89億ペソから9%減りました。売上高は3.9%増の342億ペソ(約850億円)です。11月6日に証券取引所(PSE)へ開示しました。
Convergeはパンパンガ州アンヘレスに本社を置き、家庭向けの光回線と、企業向けの専用回線・クラウド・データセンターを手がけます。PhilSTARはUy家が所有する会社と紹介しています。
家庭向けは横ばい、法人向けが伸びた
| 区分 | 2026年1〜9月 | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 342億ペソ | 330億ペソ |
| うち家庭向け | 279億ペソ | 278億ペソ |
| うち法人向け | 64億ペソ | 52億ペソ |
| 純利益 | 81億ペソ | 89億ペソ |
| 家庭向けの契約数 | 310万 | 約293万 |
家庭向けの契約数は約6%増えましたが、売上はほぼ横ばいでした。会社は、物価高が続くなかでも需要は底堅いと説明しています。
伸びを担ったのは法人向けで、22%増の64億ペソ(約160億円)となり、売上全体の約2割を占めるまでになりました。大企業向けが29.3%、中小企業向けが15.4%伸びています。通信会社、外資系IT企業、マニラ首都圏のホテル、地方自治体などに専用回線やクラウド、サイバー攻撃の防御を提供しています。
EBITDAは199億ペソ(約496億円)で、利益率58%は通年の計画どおりだとしています。減益の理由について、Manila Timesは費用の増加と物価高、PhilSTARは費用の増加と売上の伸びの鈍化を挙げています。
海底ケーブルの切断を自前の回線で迂回
決算のリリースによると、フィリピンとシンガポールを結ぶ海底ケーブルの一部が切れ、国内のインターネット利用者に断続的な障害が出ました。Convergeは新しい太平洋横断の海底ケーブル「Bifrost」に通信を振り替え、影響を小さく抑えたとしています。
Dennis Anthony Uy最高経営責任者は、こうした事態に備えて国際ケーブルへの投資を5年前から計画していたと説明し、「2本の新しいケーブルの容量によって、国内の通信会社で最も新しく、最も障害に強い国際網を持つ」と述べています。
アンヘレスのデータセンターは、投資委員会のグリーンレーン認定(許認可を優先して処理する制度)を受けています。法人向けの需要をこうした設備で受け止め、回線会社から総合的なITインフラ企業へ移る狙いです。
投資は計画の半分ほど
1〜9月の設備投資は99億ペソ(約247億円)で、前年同期の74億ペソから増えました。それでもPhilSTARによると、通年の計画は170億〜200億ペソに見直されており、9月末時点ではその半分ほどです。投資の多くはビサヤ地方とミンダナオ島の新興都市への光回線の拡張に充てる計画です。
純有利子負債は159億ペソで、自己資本に対する比率は0.2倍と財務に余裕があります。PhilSTARによると、会社は2027年に契約数400万を目標にしています。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安です。
SOURCES / 出典
- Converge ICT Solutions(PSE Edge 適時開示)企業公式一次情報9M2026 Financial and Operational Resultsedge.pse.com.ph
- PhilSTARメディアConverge earnings slip 9 percent on higher costsphilstar.com
- マニラ・タイムズ(The Manila Times)メディアHigher costs, inflation hit Converge incomemanilatimes.net
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSフィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場
フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。
フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】
PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。
フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない
フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。



