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マルコス大統領「原子力に本気だ」。狙いはデータセンターの誘致

KEY POINTS

ニュースの要点
マルコス大統領が10月11日、シンガポールで記者団に「我々は原子力発電に本気だ」と述べました。前日にはシンガポール原子力研究安全研究所を訪れています。狙いは、データセンターなど電力を多く使う産業の投資を呼び込み、AIとデジタル経済の価値連鎖に加わることです。
この動きの意味
背景には輸入依存があります。大統領によれば石油の99%が輸入で、ガスも国産は3分の1です。法制度は2025年の原子力安全法で整いつつありますが、推進派からは「議論の再開ではなく実行が要る」という声が出ています。
今後の注目点
原子力エネルギー部門統合法(下院法案8567号)の審議。バターン原発の再稼働を巡る判断。原子力規制庁(PhilATOM)の立ち上げ。日本との協力覚書にもとづく共同作業部会の動き。

マルコス大統領が10月11日、シンガポールで記者団に対し、原子力発電について明言しました。

我々は原子力発電に本気だ

前日の10月10日には、シンガポール原子力研究安全研究所を訪れています。

なぜ今か

理由として挙げたのは、電力需要の伸びと輸入依存です。

大統領が挙げた数字内容
石油99% が輸入
天然ガス国産は 3分の1 のみ

電力需要は「非常に、非常に速い率で増える」との見方を示しました。

狙いははっきりしています。データセンターなど電力を多く使う産業の投資を呼び込み、AIとデジタル経済の価値連鎖に加わることです。

この狙いは、世界銀行がフィリピンをAI関連の供給網の「例外」と評したことの裏返しでもあります。乗り遅れた理由の一つがエネルギー価格の高さである以上、電源の話から入るのは筋が通っています。

どこまで制度が整ったか

  1. 1970年代バターン原発を建設

    石油危機への対応。マルコス大統領の父の政権下

  2. 1986年稼働せず封印

    安全性への懸念と汚職疑惑

  3. 2025年原子力安全法に署名

    平和的・安全な原子力利用の法的枠組み

  4. 2026年7月施政方針演説

    原子力発電の再検討を呼びかけ

  5. 審議中下院法案8567号

    原子力エネルギー部門統合法

大統領は2025年に フィリピン国家原子力安全法 に署名しています。原子力の平和的で安全な利用の法的枠組みを定め、電離放射線から人と環境を守る内容です。

2026年7月の5回目の施政方針演説では、原子力発電の再検討を呼びかけました。その際、医療、農業、水のろ過、プラスチックの再生といった既存の利用にも触れています。

推進派は「遅い」と見ている

ただし、推進する側の評価は厳しいものです。

パンガシナン州第2区選出の下院議員で、原子力エネルギー特別委員会の委員長を務める Mark O. Cojuangco 氏は、原子力規制庁(PhilATOM)法案の成立と下院法案8567号の審議が進んでいることを認めつつ、政府の歩みの遅さを指摘しました。

原子力は、繰り返し再検討する選択肢のままではいられない。政府からの実際の進展と、エネルギー安全保障がどこへ向かうのかという明確な方向性が要る

政権の任期はいずれ終わるが、エネルギー需要は終わらない。すぐに動かなければ、必要への対応を先送りし続けることになる

原子力推進の非営利団体であるAlpas Pinasの主席発起人、Gayle Certeza氏は、電力の構成を多様にする必要をこう説明しています。

我が国は長年、電力不足と逼迫した供給に対処してきた。そして東南アジアで最も高い電気料金を記録している

同氏は、バターン原発の再稼働が国の計画に不可欠だと述べました。

日本との関係

原子力は、日本とフィリピンの協力の項目にも入っています。

10月8日のAZEC閣僚会合の傍らで、エネルギー長官と日本の経済産業大臣が、フィリピンの原子力発電の導入準備に関する協力覚書を交わしました。優先課題を洗い出し、進み具合を見て、技術のやり取りを進めるための共同作業部会を設けます。

規制の体制づくりも途上です。原子力規制庁の初代トップの人選が進んでいる段階にあります。

分からないこと

今回の発言では、次の点は示されていません。

  • 目標とする発電容量と時期
  • 費用の規模
  • どの企業・どの国と組むか
  • バターン原発を再稼働するのか、新設するのか

「本気だ」という言葉と、推進派が求める「実際の進展」のあいだには、まだ距離があります。

本記事は政策の方向を扱い、金額の記載がないため為替換算を行っていない。

SOURCES / 出典

  1. The Philippine Starメディア
    Philippines keen on including nuclear in energy mixphilstar.com
  2. Mindanao Timesメディア
    Is the Philippines Moving Fast Enough on Nuclear Power? Here's What Nuclear Advocates Saymindanaotimes.com.ph

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#原子力#エネルギー政策#データセンター#バターン原発#マルコス大統領

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