GCash上場の価格は1株10ペソに届かない見方、利益の伸びが鈍った
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 10月20日に上場するGCash運営会社Myntの募集価格について、目論見書の上限である1株10ペソには届かないという見方が市場から出ています。想定されるのは7.50〜8.50ペソの水準です。
- この動きの意味
- 理由は利益の伸びの鈍化です。2023〜2025年は年平均39%で伸びていた純利益が、2026年上半期は8%増にとどまり、第2四半期は6%の減益でした。1株10ペソだと2025年の利益の38.8倍という値づけになります。
- 今後の注目点
- 10月1日の価格決定と10月2日の公表。7.50〜8.50ペソなら調達額は692億〜785億ペソで、それでも国内最大のIPOになる。上場後の株価がどこに落ち着くか。
GCash を運営する Mynt の新規株式公開(IPO)をめぐり、募集価格が目論見書の上限である 1株10ペソに届かないという見方が出ています。
9月にSECの承認が下り、上場は10月20日、銘柄コードは GCASHです。
日程はすでに決まっている
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 10月1日 | 価格決定 |
| 10月2日 | 最終募集価格の公表 |
| 10月6〜12日 | 募集期間 |
| 10月20日 | フィリピン証券取引所に上場 |
売り出す株数は、新規発行が最大16億1,000万株、既存株主の売り出しが最大64億2,000万株、追加割当(オーバーアロットメント)が最大12億株です。
なぜ上限に届かないと見られているのか
理由は 利益の伸びの鈍化です。
| 期間 | 純利益の伸び |
|---|---|
| 2023〜2025年 | 年平均 39%(複利) |
| 2026年上半期 | 8%増 |
| 2026年第2四半期 | 6%減 |
Trading EdgeのRon Acoba氏は、1株7〜8ペソなら「実現可能」だとし、9〜10ペソには「利益の伸びが過去の水準へ再加速できるという、より強い確信が要る」と述べています。同氏は8ペソを「よりつり合いの取れた入り口」とし、2026年の年換算利益の24.7倍にあたると説明しています。
BDO Capital & Investment社長のEduardo Francisco氏も、7.50〜8.50ペソを見込んでいます。「価格を、たとえば7.50〜8.50ペソに下げれば、取引は成立すると思う」
10ペソという上限は、上限であって値づけではないという指摘です。
値づけを比べてみる
1株あたりの価格を、利益の何倍かで並べるとこうなります。
| 価格 | 2026年の年換算利益に対する倍率 |
|---|---|
| 1株7ペソ | 21.6倍 |
| 1株8ペソ | 24.7倍 |
| 1株10ペソ | 30.9倍(2025年の利益では38.8倍) |
比較対象として、COL Financialは29.5倍、同業の平均(Paytm、Mercado Libre、Kakao Bank、Sea Limited、Grab)は34倍とされています。
価格が下がっても、史上最大は変わらない
ここが重要なところです。
上限の10ペソで追加割当まで全て売れた場合、調達額は 923億ペソ(約2,299億円)になります。一方、7.50〜8.50ペソに下がった場合は 692億〜785億ペソ(約1,724億〜1,954億円)です。
それでも、2021年のMonde Nissinの558億9,000万ペソ(約1,392億円)を上回り、フィリピン史上最大のIPOであることは変わりません。
日本の投資家・事業会社にとっての読みどころは2つあります。第1に、フィリピン最大のフィンテックの値づけが、成長株としてではなく成熟企業として測られ始めていること。第2に、この上場が国内の他のテック企業の上場を呼ぶかどうかは市場でも見方が割れており、価格の着地はその判断材料になるということです。
換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- BusinessMirrorメディアGCash IPO price UNLIKELY to reach ₱10 apiece—Analysisbusinessmirror.com.ph
- PhilSTARメディア'GCash IPO may fetch P7.50-P8.50 a share'philstar.com
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