中部ビサヤの最低賃金が10月14日から42ペソ増、45万人が対象
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 中部ビサヤ地方(第7地方)の最低賃金が10月14日から1日42ペソ(約105円)上がりました。賃金令ROVII-27によるもので、拡大メトロ・セブなどA区分は582ペソ、それ以外のB区分は542ペソになります。労働雇用省の最新の数字で、対象は45万185人です。
- この動きの意味
- 対象はセブ、ボホール、ネグロス・オリエンタル、シキホールの4州です。ネグロス・オリエンタルとシキホールはネグロス島地方に移りましたが、同地方の賃金委員会がまだ立ち上がっていないため、引き続き中部ビサヤの委員会が所管します。家事労働者も別の賃金令で月500ペソ増え、7,500ペソになりました。
- 今後の注目点
- ネグロス島地方の賃金委員会がいつ立ち上がるか。労働団体が指摘する物価との差。カラバルソンに続く地方の賃金改定の連鎖。
中部ビサヤ地方(第7地方)の最低賃金が、10月14日から上がりました。賃金令 ROVII-27 によるものです。
新しい水準
いずれも1日42ペソの引き上げ。改定前の額はGMAとデイリー・トリビューンのいずれにも明記がなく、引き上げ幅からの差し引き
| 区分 | 改定後 | 円換算 |
|---|---|---|
| A区分 | 582ペソ | 約1,449円 |
| B区分 | 542ペソ | 約1,350円 |
| 引き上げ幅 | 42ペソ | 約105円 |
A区分に入る市町村
| 種別 | 名称 |
|---|---|
| 市 | カルカル、セブ、ダナオ、ラプラプ、マンダウエ、ナガ、タリサイ |
| 町 | コンポステラ、コンソラシオン、コルドバ、リロアン、ミングラニリャ、サンフェルナンド |
いわゆる 拡大メトロ・セブ の範囲です。南のカルカル市から北のダナオ市までが含まれます。それ以外の市町村はB区分です。
誰が対象か
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の労働者 | 45万185人(労働雇用省の最新の数字) |
| 対象の州 | セブ、ボホール、ネグロス・オリエンタル、シキホール |
| 承認 | 全国賃金生産性委員会(NWPC)が先月承認 |
ネグロス・オリエンタルとシキホールは、現在はネグロス島地方(NIR)に属します。ただし同地方の賃金委員会がまだ立ち上がっていないため、最低賃金については引き続き中部ビサヤの委員会が決めています。
家事労働者
別の賃金令 ROVII-DW-06 により、家事労働者の月額最低賃金も同じ10月14日から上がりました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 改定後 | 7,500ペソ(約18,675円) |
| 引き上げ幅 | 月500ペソ(約1,245円) |
改定後の7,500ペソという水準は、10月26日から適用されるカラバルソン地方と同じです。ただしカラバルソンの引き上げ幅は750ペソ(約1,868円)で、こちらのほうが大きくなっています。
地方の改定が続いている
- 9月26日首都圏
1日60ペソ増で755ペソに
- 10月14日中部ビサヤ
1日42ペソ増。A区分は582ペソ
- 10月26日カラバルソン
1日最大45ペソ増
首都圏は9月26日から60ペソ(約149円)上がり、カラバルソンは10月26日から最大45ペソ(約112円)上がります。ひと月あまりのあいだに3地方が動いた形です。
背景にあるのは物価です。9月の物価上昇率は7.2%と3年半ぶりの高さになりました。
日本企業が見るところ
セブ、とくにマクタン経済特区には日系の製造業が集まっています。中西金属工業のセブ工場もその一つです。
最低賃金の改定は、直接の対象が最低賃金労働者であっても、賃金表全体を押し上げる圧力になります。工場がA区分(拡大メトロ・セブ)にあるかB区分にあるかで適用額が40ペソ(約100円)違う点にも注意が要ります。マクタン島のラプラプ市はA区分です。
為替は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)で換算した。
SOURCES / 出典
- GMA News OnlineメディアP42 daily minimum wage hike in Central Visayas takes effectgmanetwork.com
- Daily TribuneメディアCentral Visayas wage hike takes effect — DOLEtribune.net.ph
同じカテゴリーのNews
RELATEDこの動きを読み解くInsights
INSIGHTSフィリピンの電気代が東南アジアで一番高い、直撃するのは半導体と精密電子の工場
フィリピンの平均電力価格が2026年6月に1キロワット時12.43ペソとなり、シンガポールを抜いて東南アジアで最も高くなりました。この高さが最も重くのしかかる日系企業は、半導体と精密電子の製造業です。単価が原価に乗るうえ、停電が頻発する地域では自家発電を持たされ、製造コストがさらに上がります。しかも影響は、進出をやめた素材・部品産業という形でも現れています。
フィリピンの物価は日本の3分の1?牛乳もクルマも日本より高い【2026年9月】
PHILIPPINES STARTUP編集部の私は、マニラに住んでいたことがあります。週2回外食して、プール付きのマンションに住んだら、生活費は東京とほとんど変わりませんでした。むしろ高い月もありました。100品目を東京と比べたら、「日本の3分の1」に当てはまったのは19品目だけ。牛乳もガソリンもクルマも日本より高い。日本人が住むBGCとマカティの家賃、必要な月額、そして物価上昇がいま企業に何を起こしているかまで書きました。
フィリピンの法人税ゼロは、もう大手日本企業の得になっていない
フィリピンの経済特区に入ると数年間は法人税がゼロになります。ところが日本は2024年4月から、税負担の軽い海外子会社の分を親会社に課税し始めました。フィリピンには自国で先に取る制度がないため、免除された分は日本に納めることになります。下院の調査によれば、売上上位1%の法人の実効税率の中央値は5〜6%しかありません。



