SM Investments、政府の災害リスクデータを開発と投資判断に組み込む
KEY POINTS
- ニュースの要点
- SM Investments(SMIC)がPHIVOLCS(フィリピン火山地震研究所)と協定を結び、政府のハザード・リスク情報基盤「GeoRiskPH」へのアクセスを得た。HazardHunterPH Pro、GeoMapper PH、PlanSmart、GeoAnalyticsPH といったツールを使い、不動産開発、事業継続、資産管理、長期の投資判断に反映する。
- この動きの意味
- 台風・地震・火山が事業リスクに直結する国で、財閥が政府の科学データを意思決定に組み込む形が出てきた。PHIVOLCS側は、民間企業を国の防災に巻き込む取り組みの一環と位置づけている。データを持つのは政府、資産を持つのは民間、という分業を埋める動きである。
- 今後の注目点
- 同様の協定を結ぶ企業が増えるか(開発銀行DBPが融資・投資判断に政府のジオハザードデータを採用する動きが先行している)。SMの新規開発でリスク評価が公表されるか。GeoRiskPHの企業向け提供が制度化されるか。
シー家が率いる SM Investments(SMIC)が、災害リスクのデータを事業判断に組み込む。
8月28日、SMICの Timothy Daniels 投資家対応・サステナビリティ責任者と、科学技術省フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)の Teresito C. Bacolcol 所長が協定に署名した。これによりSMは、政府のハザード・リスク情報基盤 GeoRiskPH を使えるようになる。
使えるツールは、HazardHunterPH Pro、GeoMapper PH、PlanSmart、GeoAnalyticsPH である。SMはこれらで施設のリスクを評価し、不動産開発、事業継続、資産管理、そして長期の投資判断に反映するとしている。
データは政府、資産は民間
Bacolcol 所長は、民間との連携の意味をこう述べた。「このような民間部門との連携は、国の強靭性に関する多面的なニーズを我々がよりよく理解するうえで大きく寄与する」。そのうえで、データに基づくハザード評価を事業計画に組み込むことが、災害リスクの低減と持続可能な開発を支えると付け加えた。
SM側の Daniels 氏は「PHIVOLCSと組むことで、この国の科学的知見と、より良い情報にアクセスできる。それが我々の事業と、我々が関わる地域社会を強くする」と述べている。
この協定は、PHIVOLCSがより多くの民間企業を国の防災の取り組みに巻き込もうとする動きの一部である。同種の動きでは、開発銀行(DBP)が融資と投資の判断に政府のジオハザードデータを採用する例が先行している。
フィリピンでは台風、地震、火山が事業の前提になる。データを持っているのは政府、資産を持っているのは民間という分業を埋める試みとして読める。SMグループは全国にモールと物流拠点を持ち、パシッグ市の倉庫をShopee系の物流事業者へ貸し出すなど、不動産の運用を広げてきた。
SOURCES / 出典
- Philippine Daily InquirerメディアSM Investments taps Phivolcs data to strengthen resiliencebusiness.inquirer.net
- Department of Science and Technology / PHIVOLCS政府・規制当局一次情報GeoRiskPHgeorisk.gov.ph
参考(本文の補足)
- PHIVOLCSPhilippine Institute of Volcanology and Seismology(PHIVOLCS)
- SM Investments CorporationSM Investments Corporation 会社サイト
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