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GCash上場、923億ペソのうち会社に入るのは160億ペソ。残りは既存株主へ

FinTech

KEY POINTS

ニュースの要点
GCashを運営するMyntが、上場日を10月19日から10月20日へ1日ずらした。8月18日付の修正目論見書による。最大923億ペソ(約2,400億円)の調達のうち、会社が受け取る新規資金は160億ペソ超で、残る762億6,000万ペソ(約1,983億円)は既存の株主と経営陣に渡る。
この動きの意味
フィリピン史上最大の上場になるが、その8割超は会社への資本注入ではなく、既存投資家の資金回収である。売り手は米Bow Wave系、Ant系、米Warburg Pincus系で、いずれも国外の投資家にあたる。長く出口が閉じていた市場に、一度に大きな出口が開く形になる。
今後の注目点
10月1日のブックビルディングと価格決定。二次売り出しの比率が投資家心理にどう働くか。GlobeとAnt Internationalが売らずに残す判断が評価されるか。

GCashを運営する Mynt が、上場の日程を1日ずらした。8月18日付の修正目論見書で、フィリピン証券取引所(PSE)への上場日を10月19日から 10月20日 に変更した。売り出し期間も10月5〜9日から 10月6〜12日 になった。

日程の変更そのものは小さい。中身のほうが重要である。

923億ペソのうち、会社に入るのは160億ペソ

修正目論見書によれば、最大 923億ペソ(約2,400億円)の調達のうち、Mynt自身が受け取る新規資金は 160億ペソ(約416億円)超 にとどまる。

残る 762億6,000万ペソ(約1,983億円) は、長年の株主と経営陣に渡る。全体の 約83% にあたる。

売り出す顔ぶれは次の通り。

売り手売り出し額売却後の持ち分
ASP Philippines LP(米Bow Wave Capital Management系)最大 270億4,000万ペソ(約703億円)1.82%
Advanced New Technologies(Singapore)Holding(Ant Group系)最大 251億8,000万ペソ(約655億円)2.3%
Lion Fintech Investments(米Warburg Pincus系)約121億8,000万ペソ(約317億円)0.82%

ASP Philippinesは 2021年に1億7,500万ドル(約278億円)をGCashに投じていた。コロナ禍でキャッシュレスへの移行が一気に進んだ時期である。

一方、最大株主の Globe Capital Venture Holdings(33.84%)と Ant International Technologies(Singapore)Holding(21.44%)は売らない。持ち分をそのまま維持する。

経営陣も一部を売る。Mynt社長兼最高経営責任者の Martha Sazon 氏が4億4,023万ペソ(約11億円)を売却して持ち分を0.26%にする。融資子会社Fuse Financingの Tony Isidro 社長兼CEOが5,883万ペソ(約2億円)、GCashの最高人事責任者 Robert Conrad Gonzales 氏が4,208万ペソ(約1億円)である。

「二次売り出しの比率」が論点になる

売り出す株数は80億3,000万株で、追加分(オーバーアロットメント)が最大12億株。想定価格は1株10ペソで据え置かれた。上場後の発行済み株式は約669億株になる見込みで、確定分は資本金の 約12%、追加分を全て使えば 13.8% にあたる。

Globalinks Securities and Stocks の Toby Allan C. Arce 氏は、日程の1日の変更は本質ではないとみる。

この規模の売り出しでは、投資家が重く見るのは、最終的な評価額に十分な上値の余地があるか、機関投資家の需要が強いか、そして 相対的に大きな二次売り出しの部分 である。1日の日程変更ではない。

China Bank Capital のマネージングディレクター Juan Paolo E. Colet 氏は、日程の後ろ倒しは需要を積み上げる時間が増えるだけで、投資家心理への影響はないとしている。

実際の試金石は 10月1日のブックビルディング と、その後の価格決定になる。

出口が一度に開く

当媒体は8月24日、3年で10社が上場廃止になり、2026年は8月まで新規上場がゼロだったことを伝えた。株主が持ち分を現金に換える場所として、この市場は長く機能していなかった。

今回の上場は、その出口が一度に開く形になる。そして受け取るのは、米国とシンガポールの投資家である。

Myntは Globe Telecom、Ayala Corp.、シンガポールの Ant International による共同事業で、GCashは完全子会社の G-Xchange が運営する。融資は Fuse Financing が担う。GCashは月に 4,150万人 のフィリピン人の資金を扱っている。

主幹事は Morgan Stanley、JP Morgan、UBS のシンガポール支店が務める。


円換算は2026年8月21日時点のレート(1ドル=159円、1ペソ=2.6円)による目安です。

SOURCES / 出典

  1. BusinessWorldメディア
    GCash parent Mynt shifts timetable for IPO listingbworldonline.com
  2. The Philippine Starメディア
    Early GCash backers to cash in biggest chunk of IPO proceedsphilstar.com

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#GCash#Mynt#IPO#PSE#上場

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