食品原料のD&L、1〜9月は15%増益の22億ペソ、ヤシ油の値下がりで利幅が戻る
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 食品原料や化学品を企業向けに作るD&L Industriesの2026年1〜9月の純利益は、前年同期比15%増の22億ペソでした。7〜9月だけでは32%増の7億3,500万ペソです。売上は4%減の396億ペソでした。
- この動きの意味
- 売上が減っても利益が増えたのは、主原料のヤシ油の価格が1トン2,000ドル前後で落ち着き、利益率の高い特注品が売上の51%まで戻ったためです。物価高とペソ安のなかでも、企業向けに特注の原料を供給する会社は値上げを転嫁しやすいことを示しています。
- 今後の注目点
- バタンガスの新工場の稼働が上がり、輸出が売上の23%から伸びるかを見ます。ペソ安は輸出には追い風で、会社は輸出を輸入原料のドル建て費用の自然な備えと位置づけています。
食品原料・化学品メーカーのD&L Industriesの2026年1〜9月の純利益は 22億3,700万ペソ(約56億円)で、前年同期の19億5,000万ペソから15%増えました。7〜9月だけでは32%増の7億3,500万ペソ(約18億円)です。11月6日に証券取引所(PSE)へ開示しました。
D&Lは1963年創業で、食品や日用品のメーカーに、特注の食品原料、プラスチックの特殊原料、日用品・化粧品向けの油脂化学品を供給しています。Alvin Lao社長は「売上のほぼ100%が企業向けで、生活必需品を作る会社に売っている」と説明しています。
売上は減っても利益は増えた
| 項目 | 2026年1〜9月 | 前年同期 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 396億4,600万ペソ | 412億9,400万ペソ | 4%減 |
| 粗利益 | 56億8,000万ペソ | 53億4,000万ペソ | 6%増 |
| 純利益 | 22億3,700万ペソ | 19億5,000万ペソ | 15%増 |
| 粗利益率 | 14.3% | 12.9% | 1.4ポイント改善 |
売上高は396億ペソ(約990億円)で4%減りました。それでも利益が増えたのは、主原料のヤシ油(ココナッツオイル)の価格が1トン2,000ドル前後で落ち着いたためです。数年にわたって値動きが激しかった原料が安定し、値上げを価格に転嫁しやすくなりました。
もう一つは製品の構成です。会社が「高利益率の特注品」と呼ぶ製品が売上の 51% を占め、汎用品を再び上回りました。ここ数年はバイオディーゼルの混合義務の引き上げで汎用品の販売が膨らんでいましたが、研究開発で特注品を増やし、その粗利益率は2.4ポイント上がりました。
事業ごとの明暗
- 食品原料:利益が77%増。ヤシ油価格の安定と、品目の絞り込みで利幅が2.7ポイント改善した
- 特殊プラスチック:利益が30%増。販売量が5%増え、粗利益率も1.9ポイント上がった
- 消費財のOEM・ODM(他社ブランドの製品を受託で設計・製造):利益が3%増。輸出が部門売上の16%まで育った
- Chemrez(バイオディーゼルなどを扱う部門):利益が27%減。バイオディーゼルが好調だった前年の反動と、工場の定期点検、燃料高による需要減が重なった
ペソ安を輸出で受け止める
輸出は売上の23%で、高利益率品の輸出は14%増えました。Manila Timesによると、輸出全体の売上は18%減っています。会社は、ペソ安は輸出の競争力を高めるうえ、輸入原料のドル建て費用に対する自然な備えになると説明しています。輸出を支えるのはバタンガスの新工場で、稼働が上がるにつれて利益への寄与が大きくなる見通しです。
手元の資金も改善しました。フリーキャッシュフロー(営業で得た現金から投資を引いた額)は19億ペソ(約47億円)の黒字で、9月に満期を迎えた20億ペソの社債を全額返済しています。Manila Timesによると、1〜9月の設備投資は3億5,800万ペソで、通年では5億ペソ程度にとどまる見込みです。
換算は1ペソ=2.49円(2026年9月4日時点)で計算した目安です。
SOURCES / 出典
- D&L Industries(PSE Edge 適時開示)企業公式一次情報D&L Releases Nine Months 2026 Financial Resultsedge.pse.com.ph
- マニラ・タイムズ(The Manila Times)メディアFood business recovery lifts D&L Industries profit 15% to P2.2Bmanilatimes.net
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