セブ・パシフィックがAIで契約審査を半減、数字を出した
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 格安航空のセブ・パシフィックが、社内業務へのAI導入の効果を公表しました。ChatGPT Enterprise の導入以降、法務の契約審査は平均2.5時間から約1.2時間に、案件の受付と仕分けは5日から約1日になりました。
- この動きの意味
- 数字を出した点が要点です。AI導入の発表は多くありますが、前後の所要時間を並べた事例は多くありません。
- 今後の注目点
- 次の段階として、OpenAIのAPIを使った自社開発と、社内のデータや仕組みにつながる「エージェント型」の応用を挙げています。
格安航空の セブ・パシフィック が、社内業務へのAI導入の効果を数字で示しました。
出てきた数字
| 業務 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 法務の契約審査 | 平均2.5時間 | 約1.2時間 |
| 案件の受付と仕分け | 5日 | 約1日 |
| 同・手作業の量 | — | 約80%減 |
| 技術資料の検索 | 10〜15分 | 10秒未満 |
利用者への調査では、86% が「日常業務の3分の1以上をAIが支えた」と答えました。
前後の所要時間を並べた事例は、実はそれほど多くありません。
誰と組んだのか
- OpenAI(ChatGPT Enterprise)
- Thinking Machines Data Science(AI・データ変革の会社)
Thinking Machines は、アジア太平洋地域における OpenAI の Advanced Services Partner です。マニラ、シンガポール、バンコクに拠点を持ちます。
同社が担ったのは、道具を配ることではありません。
- 実際の業務条件のもとで、AIが効く業務を見つけて試す
- 導入の障害に対処する
- 業務ごとの危険度に応じて、統治と評価の基準を置く
- 業務に合った技術を選ぶ
道具を入れるのではなく、業務の側を作り直しているという構成です。
経営側の言い方
最高デジタル・技術責任者の Fabricio Ibáñez 氏は、こう述べています。
セブ・パシフィックでは、AIをお客さまの旅を簡単にし、運航をより確かなものにするための実務的な手段と捉えている。問題をより速く解け、よりよい判断ができ、より価値の高い仕事に集中できるようになる
次にやること
同社が示した道筋は4つです。
- ChatGPT を使う業務の拡大
- OpenAIのAPIを使った自社開発
- 組織の変化を支える体制の強化
- 社内のデータや仕組みにつながるエージェント型の応用
日系企業にとっての読みどころ
注目すべきは、効果が出た業務の性質です。
契約審査、案件の受付と仕分け、技術資料の検索。いずれも「大量の文書から必要な部分を見つけて判断する」作業です。顧客対応でも、運航管理でも、収益管理でもありません。
フィリピンに拠点を置く日本企業にとって、これは参照しやすい事例です。現地拠点が抱える業務にも、契約書の確認、社内申請の仕分け、過去資料の検索は必ずあります。
もう一点、組んだ相手が現地企業であることも見どころです。Thinking Machines はマニラに拠点を持つ会社で、業務の設計と統治の基準づくりを担っています。OpenAIの道具を直接契約するのではなく、間に業務設計をする会社を入れる。この構成は、現地拠点でAIを入れるときの選択肢になります。
なお、公表された数字は同社の発表にもとづくもので、第三者の検証を経たものではありません。導入前後の条件の違いまでは示されていない点は、割り引いて読む必要があります。
SOURCES / 出典
- BusinessWorldメディアCebu Pacific says AI speeds up internal workflowsbworldonline.com
- TechNode GlobalメディアCebu Pacific reports workflow gains from enterprise AI rollouttechnode.global
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