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内国歳入庁とAyala、税務担当者向けのAIアシスタント「Terry」を共同開発

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ニュースの要点
内国歳入庁(BIR)とAyala Corporationが、税務規則・裁決・通達などの公式資料を検索・相互参照・分析するAIアシスタント「Terry the Tax AI Assistant」を共同開発している。Ayalaが政府の費用負担なしでシステムを構築し、BIR職員が開発中に試用する。覚書の署名は8月25日である。
この動きの意味
税務当局の内部業務にAIを入れる取り組みで、対象は納税者向けの窓口ではなく職員の調査作業である。無償提供の相手がフィリピン最大級の財閥であり、その財閥の傘下企業は当然ながら納税者でもある。この関係をどう整理するかが実装の論点になる。
今後の注目点
試用から本格導入へ進むか。Ayalaが無償で提供する範囲と、その後の保守・拡張の契約形態。回答の根拠となる出典表示が実際にどこまで機能するか。他の政府機関へ同種の官民連携が広がるか。

フィリピンの内国歳入庁(BIR)Ayala Corporationが、税務担当者向けのAIアシスタントを共同で開発している。名称は「Terry the Tax AI Assistant」で、BIRの職員が税務規則、裁決、通達といった公式の税務資料を検索し、相互に照合し、分析するのを助ける。

仕組みは、公式の税務資料を集めた検索可能なデータベースを使い、回答に出典を付けて返すというものである。BIRは8月28日にこれを明らかにした。

提携は6か月の期間を定めたもので、Ayalaがデータサイエンス・人工知能グループを通じて、BIRに費用を負担させずにシステムを構築する。BIRの職員はその6か月のあいだ、試験、検証、改良に参加する。さらに知識移転が含まれており、BIR側が今後の要件変化に応じて自ら開発を続けられる体制を作ることも目的に入っている。合意文書は8月25日に、BIRの Charlito Martin Mendoza 長官と、Ayala Corporation のデータサイエンス・人工知能グループ長 Karl Kendrick Chua 氏のあいだで署名された。

狙いは「調べる時間」を「考える時間」に移すこと

Mendoza 長官は導入の狙いをこう説明した。「もし技術が検索と相互参照をより多く担えるなら、我々の税務職員は、当局の意図を読み解き、難しい論点を解決し、改革をやり遂げることにもっと時間を使える」

同長官は、速さそのものが目的ではないとも述べている。「BIRにとってAIの価値は、単に答えを速くくれることではない。職員が正しい根拠を見つけて検証し、健全で説明のつく判断を下し、税務案件と改革をより早く前に進める助けになるかどうかだ」

そのうえで、AIはあくまで補助であり、最終的な判断の責任は職員が持つと釘を刺している。「技術は判断の材料を組み立てるのを助けられる。しかし判断と、それに基づいて行動する責任は、あくまで我々のものだ

Chua 氏は、この取り組みが公務員の業務効率を高め、納税者により速く一貫したサービスを提供することを目指すとした。同氏は財務省次官として2017年からの税制改革を主導し、その後コロナ禍の時期に国家経済開発庁(NEDA)長官を務めた人物である。2023年にAyalaへ移り、データサイエンス・AI部門を率いている。税制を設計した側の人物が、いまその税制を運用する当局のAIを作っているという構図になる。

このプロジェクトは、BIRのデジタル変革プログラム「BIR DARES」のうち、デジタル・データ変革と職員のエンパワーメントという2つの柱を支えるものと位置づけられている。

財閥のAI部門が税務当局に無償でシステムを入れる

注目すべきは提供の形である。費用を負担するのはフィリピン最大級の財閥のほうで、受け取るのは税務当局である

Ayalaは、不動産(Ayala Land)、銀行(BPI)、通信(Globe Telecom)、電力(ACEN)など幅広い事業を持つ。それらの企業はいずれもBIRにとって納税者にあたる。無償提供という形が、税務行政の中立性にどう影響しないよう設計されているのかは、現時点の発表からは分からない。この点は実装の詳細が出るまで判断できない

Ayalaは同じ時期に、再生可能エネルギー子会社を通じた大型の資金調達も動かしている。ACENは合弁相手のYanaraとともに、パンガシナン州の太陽光発電所向けにRCBCから23億ペソ(約60億円)の融資枠を確保した。財閥がAIと再エネの両方で同時に動いている構図である。

税務行政へのAI導入という点では、対象が納税者向けの窓口ではなく職員の内部作業であることが特徴になる。誤りが起きたときに影響が及ぶのは、まず税務調査の質である。Mendoza 長官が責任の所在を明示的に述べたのは、そこを意識してのことと読める。

円換算について

本記事のペソ建て金額は 1ペソ=約2.6円(2026年8月21日時点のレート)で換算した。

SOURCES / 出典

  1. Philippine Daily Inquirerメディア
    BIR, Ayala develop AI tax assistant to speed up processesbusiness.inquirer.net
  2. Context.phメディア
    Ayala, BIR team up on AI-powered tax assistantcontext.ph

参考(本文の補足)

  1. Bureau of Internal RevenueBureau of Internal Revenue(内国歳入庁)
  2. Ayala CorporationAyala Corporation 会社サイト
  3. BilyonaryoJAZA entrusts Ayala group's AI and data divisions to ex-NEDA chief Karl Kendrick
  4. Bank of the Philippine IslandsKarl Kendrick T. Chua(役員紹介)
  5. Philippine Daily InquirerACEN, Yanara bag P2.3B loan for Pangasinan solar park

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#BIR#Ayala#AI#税務#電子政府#官民連携

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