UPSがクラークに8,000万ドルの新拠点、1時間に1万5,000個を仕分け
KEY POINTS
- ニュースの要点
- 米物流大手UPSが10月15日、クラーク国際空港に8,000万ドル超(約50億4,000万ペソ)を投じた航空貨物の拠点を開きました。同社のフィリピンへの投資として過去最大で、仕分け能力は旧拠点の1時間1,250個から1万5,000個になります。
- この動きの意味
- フィリピンから海外へ小口の荷物を送る力が一段上がります。UPSはこの拠点をアジア太平洋とインド・欧州・米国をつなぐ中継点と位置づけており、国内の中小企業にとっては集荷の締め切りが遅くなる効果があります。
- 今後の注目点
- 1日4万6,000個という見込みにどこまで近づくか。開所式で大統領が求めたクラークの未完成案件の報告と、スービック・クラーク・マニラ・バタンガス鉄道の構想が進むか。
米物流大手のUPSが10月15日、クラーク国際空港(ルソン島中部のパンパンガ州)に新しい航空貨物の拠点を開きました。投資額は 8,000万ドル超です。フィリピン・スターは約50億4,000万ペソ(約125億円)と換算し、同社のフィリピンへの投資として過去最大だとしています。
開所式にはマルコス大統領が出席しました。
旧拠点と比べて何が変わるか
UPSは2002年からクラークに拠点を置いてきました。新しい拠点の計画は2024年に発表されていたものです。
| 項目 | 旧拠点 | 新拠点 |
|---|---|---|
| 床面積 | — | 3万平方メートル(旧拠点の15倍超) |
| 仕分け能力 | 1時間1,250個 | 1時間1万5,000個 |
| 1日の取扱量 | 5,000個 | 4万6,000個(見込み) |
1日の取扱量はおよそ9倍になる計算です。3kg未満の小口の荷物を1時間に9,000個まで自動で振り分ける装置も入りました。UPSによると、フィリピンの拠点では初めての設備です。
クラークを発着する便は週170区間で、アジア太平洋、インド、欧州、米国をつなぎます。UPSは、中国東部からアジア太平洋の主要市場まで、また東南アジアの一部からインドまでの輸送が最大2日短くなるとしています。
雇用は約600人で、多くは地元パンパンガ州の住民です。
なぜクラークなのか
UPSは、クラークがアジア太平洋の多くの製造拠点から飛行機で3〜4時間の距離にあることと、航空会社の乗り入れを自由にする「オープンスカイ」の環境を理由に挙げています。
同社は2026年に入り、アジア太平洋の拠点への投資を続けています。3月に台湾で域内最大の物流センターを開き、同じ3月に香港国際空港で新拠点に着工しました。4月には韓国・仁川空港の拠点の拡張を終えています。クラークはその流れの一つです。
UPSアジア太平洋のBernard Jiang社長は、2024年の発表を「複数年にわたる継続的な投資」の始まりと位置づけています。
地元の中小企業への効果
UPSは、木製品や模型飛行機・模型船をつくるクラーク周辺の事業者が、集荷の締め切りが遅くなることで恩恵を受けるとしています。フィリピンの中小企業の海外取引を支える方法も検討しているといいます。
大統領は開所式で、税関と入国管理の専用レーンを設けたことや、医療品やワクチンなど温度管理が要る荷物向けのサービスに触れました。あわせて、基地転換開発公社(BCDA)と貿易産業省(DTI)に、クラークで未完成の投資案件と開業予定日を報告するよう指示しています。主要な港を貨物でつなぐ「スービック・クラーク・マニラ・バタンガス鉄道」の構想も進めるとしました。
クラークの投資では航空関連の比重が大きくなっています。基地転換開発公社が上期に認可した投資の7割は航空関連でした。
換算の基準は1ペソ2.49円(2026年9月4日時点)です。
SOURCES / 出典
- フィリピン・スター(The Philippine Star)メディアUPS opens $80 million Clark hubphilstar.com
- GMA NewsメディアUPS opens $80-M Clark hubgmanetwork.com
- デイリー・トリビューン(Daily Tribune)メディアUPS opens $80-million Clark hub, hires 600 workerstribune.net.ph
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