楽天Viber、フィリピンでeSIM開始。楽天モバイルの基盤で自社は回線を持たない
KEY POINTS
- ニュースの要点
- メッセージアプリのRakuten Viberが、フィリピンでアプリ内eSIMの提供を始めた。第1段階として、海外へ行くフィリピン人がデータ通信のプランを購入できるようにする。基盤は楽天モバイルのクラウド型eSIMプラットフォームで、Viber自身は通信事業者にならずに通信を売る。
- この動きの意味
- 同じ楽天グループの通信会社が持つ基盤を、グループのアプリが使うという構図である。Viberはフィリピンで広く使われており、すでに法人向けアカウント、出会い機能、決済のViber Payを載せてきた。アプリが回線を持たずに通信を売れることは、通信事業者にとっては卸先が増えることを意味する。
- 今後の注目点
- 第1段階の次に何が来るか(国内向けの提供があるか)。フィリピンの通信事業者がどう反応するか。旅行・通信・決済のブランドとの提携が実際に出てくるか。
メッセージアプリの Rakuten Viber が、フィリピンでeSIM市場に入った。海外へ行くフィリピン人向けに、ローミングのサービスを提供する。
今回始まったのはアプリ内eSIMの第1段階で、渡航先で使うデータ通信のプランをアプリから買えるようにするもの。現地に着いてからSIMを買い、新しい番号を登録するという手間がなくなる。利用者はアプリのeSIMの画面を開き、数百の渡航先に対応したローミングプランを選んで加入する。支払いはViber内で完結する。悪意ある利用者によるスパム対策のためだという。
eSIMは、端末に埋め込まれた形で使う電子的なSIMのことで、物理的なカードを差し替える必要がない。
基盤を提供するのは、同じ楽天グループの楽天モバイルである。AIを組み込んだクラウド型のeSIMプラットフォームで、これによりViberは通信事業者にならずに通信を売れる。楽天モバイルの Tarek Zeid 国際卸事業担当上級副社長は「楽天モバイルのeSIM基盤と、移動体通信事業者としての当社の立場を活かすことで、Rakuten Viberが従来型の通信事業を営むことなく旅行時の接続性を統合できるようにしている」と述べている。
利用者はアプリの「その他」または「通話」画面からeSIMストアに入り、プランを選ぶ。導入はクイックインストールのリンク、QRコード、手動設定のいずれかで行う。取引はViber自身の迷惑行為・不正検知の仕組みに加え、Stripeの不正対策ツールでも検査される。
「スーパーアプリ」への部品として
Rakuten Viber の Nadav Melnick 最高製品責任者は、eSIMがスーパーアプリを目指す同社の方針に沿うものだと述べた。「今回の提供は、Viberが幅広い利用者の要望を1つのプラットフォームで支えることを強めるものだ。メッセージアプリを日々の実用ツールへ進化させ、海外旅行をより簡単で手頃にする」
Viberはここ数年、機能を足し続けてきた。法人向けの Business Accounts、出会いの Viber Dating、そして決済の Viber Pay である。eSIMはその並びに入る。
Melnick 氏は、eSIMが旅行・通信・決済のブランドとの協業の入口にもなると見る。パートナーが旅行関連のサービスを作れば、渡航先で通信の提供者を探す必要がなくなる、という構想である。
市場そのものは伸びている
Juniper Research の調査によると、世界のeSIM市場は2025年に 18億ドル(約2,900億円) の売上を生んだ。2025年から2030年にかけて5倍に伸び、87億ドル(約1兆3,800億円) に達すると同社は見込む。
通信事業者にとっても、旅行者がeSIMを使い始めることは収益源になるとされる。海外へ出る利用者が多いフィリピンは、その市場の一つになる。
本記事のドル建て金額は 1ドル=約159円(2026年8月21日時点のレート)で換算した。
SOURCES / 出典
- The Philippine StarメディアViber launches eSIM service in Philippinesphilstar.com
- Newsbytes.PHメディアViber adds travel eSIM for overseas data connectivitynewsbytes.ph
参考(本文の補足)
- Rakuten ViberRakuten Viber 公式サイト
- Juniper ResearchJuniper Research
- 楽天モバイル楽天モバイル 公式サイト
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