フィリピンのFinTechスタートアップ「Ayannah」ベトナム、インドへの進出に向けて資金調達を開始
Wavemaker Partners、500 Startups、Golden Gate Venturesなどの投資を受けているフィリピンのFinTechスタートアップのAyannahは、ベトナムとインドへの進出を目指し、シリーズBラウンドの資金調達を模索していると、同社の創業者でCEOのMikko Perez氏が語りました。
マニラ首都圏に本社を置くAyannahは、新興市場の中間層にデジタル金融サービスを提供することを目指しています。 銀行口座やクレジットカード等の金融サービスにアクセスがない中間層に代わって、Ayannahは金融機関と提携してこの層への金融サービスの普及に努めています。
これまでに、2013年にシード、2015年にシリーズAという2つの資金調達ラウンドで合計900万ドル以上を調達しています。
「調達金額とは別に、私たちは投資元に3つの項目を求めています。①フィンテック分野の知識と経験、②グローバルとローカルの両方のコネクションを通じた事業シナジー、③事業戦略、現在と将来の評価期待、出口戦略の面での整合性です」とPerez氏はコメントしています。
東南アジアでは2億9,000万人の人々が銀行口座を持っていません。東南アジア地域の人口の18%しか銀行・信用を利用できないため、金融格差を生み出しています。銀行口座とそれに付随する金融データが不足しているため、中流階級や中小企業(SME)の大多数は、銀行などの伝統的な金融機関が提供する商品やサービスを利用することができません。
そのため、Ayannahのような代替プラットフォームが参入し、銀行口座を持たない人々にデジタル金融サービスを提供するようになりました。Ayannahはフィリピン国内での事業を推進しており、他の東南アジアへの拡大を目指しています。
Perez氏によって2010年に設立されたAyannahは、Sendah DirectとSendah Remitの2つの製品を開発しました。
Sendah DirectがB2B、B2CのSaaSプラットフォームであるのに対し、Sendah Remitは企業が銀行口座を持たない顧客に送金、支払い、ローン、保険サービスを提供できるようにするものです。
また、Ayannahはフィリピンのマイクロファイナンス機関CARDと提携し、700万人の会員向けにデジタルレンディングサービスを開始しました。
オープンバンキング
Ayannahは企業にデジタル金融サービスを提供するだけでなく、オープンバンキングの概念を活用したデータ分析クレジットスコアリングプラットフォーム(Kaya)も運営しています。
オープンバンキングとは、銀行が他の金融会社と金融データを安全に共有することで、銀行が顧客をより深く理解し、よりパーソナライズされた商品を提供できるようにすることを指します。
以前は、消費者の金融データが銀行内にのみに保管されていたため、P2Pレンディング・プラットフォームのような金融会社は顧客のクレジットヒストリーを確認することが難しく、融資の可能性が制限されていました。
しかし、オープンバンキングの導入により、企業は共有された金融データを活用して、ユーザーのクレジットヒストリーを正確に確認し融資を行うことができるようになりました。
Ayannahの収益の大部分は送金と決済サービスからですが、融資やEコマースのプラットフォームからの収益も増えています。近い将来、サービスとしての保険やサービスとしての投資からの収益も増えると予想しています。
大きな成長の可能性
Ayannahは国内送金・デジタル決済サービスの総取引量(GTV)が前年比の8倍に増加したことを報告しました。また、2020年には230万人のユーザーから1,100万件以上の取引を処理し、4,300万米ドル以上のGTVをもたらしました。
東南アジア域内のオープンバンキング業界については一般化した予測はありませんが、e-Conomy SEAのレポートでは、デジタル決済(送金を含む)は2019年の6000億米ドルから2025年には1.2兆米ドルに成長し、デジタルレンディングは2019年の230億米ドルから2025年には920億米ドルに増加するとされています。
「デジタル金融サービスのこの成長は、従来のオフライン金融サービスからの転換量と、東南アジアの中産階級と中小企業の成長に伴って発生する新たな量の組み合わせです」とPerez氏は見解を述べ、Ayannahはこのチャンスを掴むためにフィリピン以外の東南アジア地域での拡大を模索しています。
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