フィリピンの上院議員で、伝説のボクサーであるマニー・パッキャオ氏は、「PacPay」と名付けた独自の決済プラットフォームを立ち上げることを発表しました。
2021年初旬にローンチ予定の「PacPay」は、パッキャオ氏の会社であるPac Technologiesによって開発されており、より迅速で安全に、国境を越えた取引を可能にするものになります。
42歳のスポーツ界のレジェンドであるパッキャオ氏のフィンテック領域への関心はかなり強く、最近では自身の暗号通貨である「Pac Coin」も立ち上げています。
「PacPay」は、フィリピン国外で働くフィリピン人労働者(OFW)をターゲットとしており、海外で働くフィリピン人労働者が国境を越えた取引をより簡単に行えるようになるようなサービスです。また、ユーザーがPacPayを介して取引すると、収益の一部がフィリピンでの慈善プロジェクトに寄付される仕組みとなっており、貧困やその他の要因で生活に苦しんでいるフィリピン人への支援も行います。
慈善家としても知られるパッキャオ氏は、Globeからの出演料を全額フィリピンの台風被害者に寄付することを約束しています。Globeとは独占契約を結んだばかりで、今後のボクシングの試合の配信権を与えました。
また、PacPayは、ソーシャルメディアのインフルエンサー、ブランド、ファンを繋げる役目も果たします。
ソーシャルメディアのユーザーは、FacebookやInstagramのようなプラットフォームでファンベースを築き、「インフルエンサー」としての立場を利用して企業の商品を売り込みます。インフルエンサーへの支払い額は、フォロワー数や投稿のエンゲージメント量など、さまざまな要素に基づいて決定されますが、PacPayでは、インフルエンサー、ブランド、ファン間の支払いを可能な限りスムーズで透明なものにします。
意欲的なインフルエンサーや次世代のインフルエンサーの収益化を支援し、支払い管理の複雑さを解消することによって、多くの人に活躍の機会を与えます。
加えて、コロナ禍で優先度の上がったヘルスケアと雇用の2つの分野に関連したオンライン決済サービスも検討しています。
PacPayは、最初は母国フィリピンで展開し、その後シンガポールで展開し、アジア全域への拡大を計画しています。
「コロナ禍で、グローバルな決済を含むデジタル技術の重要性を何度も感じました。私たちは、ビジネスマンの成長を支援する意図で市場に参入しました。これは中小企業やフィリピン人にとって有益なものになるだろう」とパッキャオ氏は述べました。