ソフトウェアエンジニアの育成に特化したフィリピンのEdTechスタートアップであるAvion Schoolは、シードアクセラレーターのY Combinatorから12万5000ドルの資金調達を発表しました。
Y Combinatorから資金を調達したことで、ソフトウェアエンジニアを採用している企業とグローバルなネットワークを築くことが可能になりました。Avionは以前、Tinderの共同創設者を含むエンジェル投資家からプレシードラウンドで資金を調達していました。
Victor Rivera (CEO) とJohn Young (COO)が2020年に立ち上げたAvion Schoolは、フィリピン人がグローバルなソフトウェアエンジニアになるための教育を行うオンラインスクールです。
受講者は、ソフトウェアエンジニアに必要なスキルを身につけることができる12週間のコースを受けます。
また、受講料の設定もユニークとなっており、下記2つのオプションから選ぶことができます。
- 受講開始時に80,000ペソ(約16万円)を支払う
- 受講している際には支払いは不要。受講後に採用された会社での給与の17%を2年間、Avionに支払う
2つ目のオプションを用意していることによって、受講時にお金に余裕がない人にもチャンスを与えることができるように設定されています。
学生がコース修了後に仕事を得れるように、キャリアサポートのサービスも提供しています。
2020年に5月に開始して以来、Avionは7回、通しのプログラムを実施し卒業生を輩出しました。また、Xendit、PayMongo、Pulleyを含む世界の80社以上の企業と提携しています。卒業生の給料は市場平均よりも少なくとも40%高くなっており、中には給料が5倍になった卒業生もいます。
フィリピンのコンピュータサイエンスの学部生が受ける教育は、実践的なものではないという現状があり、卒業後の学生はソフトウェアエンジニアとしてではなく、別なキャリアパスを歩む人が比較的多い傾向にあります。
Avionが提供するカリキュラムは、スタートアップ企業が必要とする最新のエンジニアリングスキルを身に付けられるものとなっています。
「サービスを開発するために必要なスキルを身につけた人材が不足しているため、エンジニアの採用が難しいのが現実です。東南アジアには、ソフトウェア開発のトレーニングを受けた350万人がいることを考えると、人材不足を解決するための大きなチャンスです」とRivera氏はコメントしています。
「私たちはフィリピン人エンジニアの可能性を信じており、それを世界にアピールしたいと考えています。また、フィリピンの人口は1億人で英語を話す人口が多く、人材の発掘には最適な環境です。私たちはフィリピンの『コールセンター2.0』を構築しようとしており、それにはソフトウェアエンジニアの才能が必要です」と彼は付け加えました。