フィリピンの鶏肉と野菜の価格は依然として上昇している傾向にあります。
農業省(the Department of Agriculture)は、今までにも、急激に価格の上昇が起きているマニラ首都圏のマーケットでの豚肉の販売価格をコントロールする為に時間をかけてきました。
豚肉に加えて、農務省の価格監視報告書によると、鶏肉は1キログラムあたり190ペソの高値で販売されており、政府が設定した1キロあたり160ペソという価格の上限を大きく上回っているといいます。
同様に、野菜の場合も、昨年の後半に農地を荒廃させた一連の台風被害の影響もあり、農家の経営は苦しい状態となっている為、販売価格も上昇しています。
United Raisers Broilers Associationの会長Bong Inciong氏は、「家禽の生産コスト、特にひよこの販売価格は、昨年からなんと233%も上昇しました」と述べています。
鶏肉の卸売価格は、昨年の96~100ペソから1キロ128~150ペソになっています。
経済エコノミストは、多くのフィリピンで現在1キロ当たり260~350ペソの高価格で販売されている豚肉の影響で、フィリピン人がより鶏肉の購入に目を向けるようになっていると指摘しています。
鶏肉需要の増加は、同様に生産コストをさらに押し上げていることになります。
農務省は、野菜の価格は収穫期が始まる来月には安定すると予想されていると述べました。
フィリピンのLos Baños大学は、豚肉、鶏肉、野菜の生産と販売のための価格競争を均等化するために、米以外の農業分野への予算支援を強化するように農務省に呼びかけています。
「政府の支援のほとんどは、いまだに米の分野に偏っています。主食としての米の重要性と米の生産に従事する農家の数を考えれば、これは理解できます。しかし、家畜や家禽の生産者のような成長分野が不利な立場にならないように、農業部門の様々なプレーヤーに与えられている支援を見直し、合理化する必要があります」と述べています。