マニラを拠点とするフィンテックスタートアップの「Advance」は、アメリカのVC企業Next Billion Ventures主導のシードラウンドで資金調達を実施しました。
調達額は非公開。Dymon Asia Venturesと、Accion Venture Labもこのラウンドに参加しました。
今回の資金調達で、Advanceはプロダクトの改善、業務改善、新しいマーケットの開拓をさらに推進していきます。
2019年初めに立ち上げられたオンデマンド給与プラットフォームのAdvanceは、従業員が給料日を待たずに、働いた分の給料の一部を受け取れるサービスです。
立ち上げてすぐに、フィリピンの大手銀行からの融資を受けています。
日本で言うと、「ほぼ日払い君」「給料サプリ」に似たビジネスモデルのサービスとなっています。
日本では2016年から日払いニーズの高まりに後押しされ、福利厚生サービスとして導入する企業が続々と増加しています。
フィリピンの「Advance」は、既存の給与計算システムに直接差し込むことができるため、企業は既存のプロセスを変更する必要がありません。
「会社に雇用されている従業員に、希望に合わせて前倒しで一部の給与を提供することによって、雇用されている側に金銭的な安心感を与えて尊厳を守る」といった世界観を生み出す為に、サービスを急成長させています。
フィリピン人の大多数は、貯金をせずにその月の給与を使い切るといった生活を送っており、2015年に中央銀行が行った調査では、何かあった時に使える貯蓄を蓄えている人は、10人中の4人しかいなかったようです。
また、いまだに推定3,600万人が日常生活のために現金を借りており、高金利な貸金業者に搾取されやすい状況にあります。
Advanceは、給料日前に貸金業者に頼ってしまう現金不足の多くのフィリピン人に、代替手段を提供したいと考えています。
「私たちはローンを提供する会社ではありません。Advanceは人々にとっての金銭と生活の架け橋となっています」とCEOのハイメ氏は強調しています。
Advanceはすでに、全国の数千人のフィリピン人に対して300万ドル近くを前倒しで提供しています。
今後5年間で100万人の従業員と1万の企業にサービスを提供したいとの目標を掲げています。
ハイメ氏は「その場しのぎの対処ではなく、前倒しで給与にアクセスすることによって、従業員は経済的なストレスから解放され、より幅広い機会を享受することができる」と語っています。
【参考】
techinasia.com/
https://e27.co/
Photo Credit:Tech in Asia