2020年6月25日付けのStartup Genomeの「GenomeのGlobal Startup Ecosystem Report (GSER) 2020」によると、メトロマニラ(マニラ首都圏)が世界の成長しているスタートアップエコシステムランキングのトップ100のリストに入りました。
メトロマニラ(マニラ首都圏)は、マニラ市を中核としたフィリピンの政治、経済、文化、交通及び情報の中心地であり、首都圏と重なる都市群のことです。マニラや旧首都ケソンを含む16市と1町により構成されています。
Startup Genomeのレポートによると、メトロマニラはトップ100のリストの中で、31~40位にランクインしました。
GSER(Global Startup Ecosystem Report)はスタートアップに関する包括的なリサーチの中で最も広く読まれているものの一つで、Startup Genomeはスタートアップの成功を支援している政府や官民パートナーシップのため調査・政策諮問機関です。
そんなリサーチにて、31~40位にランクインした他の都市は下記のようになっています。
- ヒューストン(米国)
- メキシコ
- リヨン(フランス)
- コロンバス(米国)
- シャーロット(米国)
- 南京(中国)
- インディアナポリス(米国)
- アモイ(中国)
- ボゴタ(コロンビア)
ちなみにTOP層は、1位にムンバイ(インド)、2位にジャカルタ(インドネシア)、3位にチューリッヒ(スイス)となっています。
メトロマニラのスタートアップのエコシステムは合計16億ドルと評価されており、過去2年半のアーリーステージの資金調達総額は1億200万ドルに上ります。
メトロマニラのスタートアップマーケットが伸びていると評価される要因には、人材の確保のしやすさと、マーケットへのリーチのしやすさという2点が挙げられます。
レポートによると、メトロマニラではフィンテックとEコマース領域の両方が成長しています。
スタートアップのうち、15%近くがフィンテック企業で、2019年の取引額は約100億ドルに達し、コロナウイルスの影響を受けて、今年は24%の成長が見込まれています。
Eコマースは、26.4%のCAGR(年平均成長率)で成長しており、東南アジアでもトップクラスの速さを誇っています。
ラモン・ロペス貿易長官は声明の中で、このレポートについてコメントし、「フィリピン貿易産業省は、コロナ期間中も、それ以降においても、マニラ首都圏とフィリピンの国全体のスタートアップエコシステムの成長を持続させることにコミットする」と述べました。
ラファエリタ・アルダバ貿易次官は、フィリピン国内でのフィンテックやEコマース関連のスタートアップ企業の増加と成長は、フィリピン市場に多くのチャンスをもたらしているとの見解を示しています。
「フィンテックやEコマースの2つの分野が相互に強化し合うことで、コロナ禍の困難な時代にもかかわらず、売り手と買い手の経済活動を活発にしています。フィリピンの若く、創造性と才能に溢れた人材が、今後数年間、私たちのエコシステムを活気に満ちた競争力のあるものにしてくれるでしょう」と、彼女は述べています。
イノベーティブ・スタートアップ法を通じて、DTIは、スタートアップコミュニティ間の連携を促進し、スタートアップの成長をサポートし、グローバルな事業展開を後押しすることになります。
「フィリピンのスタートアップは、適切な環境と、適切なメンターがいれば、グローバルに競争できると強く信じています。市場の需要を満たし、社会的なニーズに対応するために、彼らが提供できるソリューションやサービスを提供する機会を常に探しています。世界市場で存在感を出す為に、フィリピンのスタートアップがより多くのメンターや投資家の注目を集めることを楽しみにしています」とアルダバ貿易次官は語りました。
他のアジア諸国と比べてなかなかニュースが入ってこないフィリピンのスタートアップ界隈ですが、そのポテンシャルを発揮する時が近づいているのかもしれません。
今後も注目です!