フィリピンで流行しているバイクタクシー配車アプリのAngkas(アンカス)が、事業の方向性を転換をすることを明らかにしました。
2017年にフィリピンでサービスが開始され、僕も通勤時/移動時に毎日使っていたAngkas。
2017年1月にフィリピンのLTFRB(運輸通信省)から営業停止命令を受け取ったり、大幅なアプリのアップデートに失敗したりと、色々あったAngkasですが、今回どのような経緯でピボットすることになったのでしょうか?
Angkasとは?
Angkasは、マニラ首都圏のマカティに本社を構え、バイクタクシー配車サービスを提供しています。
アプリをダウンロードし、名前、電話番号等を入力しただけですぐに使えるとても便利なアプリです。
ピックアップ先と行き先を選択し予約をすると、1〜5分くらいでバイクが到着します。
交通渋滞がひどいフィリピンにおいて、渋滞している車の間を抜けて進めるバイクタクシーは重宝されていて、フィリピンの交通インフラの代表的なものになっていました。
時間帯、距離によってアプリ上で金額が決まっているので、個人でやっているバイクタクシーと比べて、ぼったくり等がないのが特徴となっています。
また、組織として運営している為、バイクの質もヘルメットの清潔さも、運転の技術も、全体的に高いレベルでサービスを提供している印象があります。あと、価格も安くてお財布にも優しいです。
僕もAngkasは毎日乗っていたのですが、とても便利で素晴らしいサービスだと感じています。
Angkasの今まで
Angkasは、Android端末からだけでも43,000以上のダウンロード数を誇っています。「Angkas」はタガログ語で「乗る」といった意味を持っています。
登録ドライバーの数も2,000人を超えていて、ドライバーに無料で研修を受けた上で、正式にAngkasドライバーとなります。
乗客から受け取った金額の一部が手数料としてAngkas側に入るというモデルになっています。
そんなAngkasは、フィリピンの車輌に関する法律に違反していると判断され、2017年11月にLTFRB(運輸通信省)営業停止命令が出ました。
しかし、その後もグレーに営業を続けユーザー数を増やし、LTFRBからの認可が降りた2019年6月から正式にサービスを再開しました。
個人的にはAngkasのSNS活用が光っているなと思っていて、Twitterのフォロワー数は30万人以上。
いいねやリツイートも常に多く、ファンを作り続けています。→@angkas
なぜピボット?Angkasのこれから
そんなAngkasが乗客を扱う配車事業からピボットし、「配達」の事業に注力することを明らかにしました。(2020年5月)
原因はコロナによる事業不振。健康専門家が推奨する1メートルの距離に違反しているとして、運輸省から禁止令が出されたため、Angkasの事業は停止されてしまいました。
これはAngkasにとっては大大大ダメージ。
収益は95%以上減少しており、ビジネス全体の95%以上が非稼働という状態になっています。
Angkasで生計を立てていたドライバーの収入の激減。
そのような状況を受け、コロナ期のドライバーの生活を守るために、「Angkas Food」を立ち上げました。
Angkas Foodが提携したレストランの一覧から料理を選び、注文→Angkasドライバーが配達するというシンプルなサービスです。
Guys legit to, gumawa kami ng food delivery service oha. But this isn't for us. Para to sa mga bikers at sa inyo. We will NOT take any commission in this initiative. Sa kanila lahat to.
For the list of restaurants: https://t.co/dl1b8EYi7M pic.twitter.com/ZK7o2xIAfw
— Angkas (@angkas) March 23, 2020
Angkas Foodはドライバーからの手数料は一切取らず、「ドライバーのためのサービス」として運営していきます。
Angkasは状況の変化に合わせて、配車サービスを再開できるよう、様々なケースを想定しながらサービス再開の準備を行なっています。
まとめ
コロナのこの状況がいつまで続くかが分からない中、事業の方向転換をする企業が増えてきています。今後も増え続けることになると思います。
フィリピンにAngkasがない生活は正直想像できないくらい、Angkasを愛していた僕ですが、今はコロナの状況と政府の方針を待つしかなさそうです..
ピボットした事業で、なんとかAngkasが生き残ることを祈っています!