最近、音声メディア市場の急拡大に伴い、ポッドキャストが注目を集めています。
ポッドキャストとは2000年代前半に登場した、音声や動画のデータファイルを、インターネット上で公開した番組のことを指します。
ロイター通信が主要20カ国に対して、2019年に行なった調査によると、最も高い利用率だったのが韓国の53%でした。また、アメリカでは35%、日本でも23%となっており、20カ国の平均でも36%の人がポッドキャストを利用しています。
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僕は最近ポッドキャストに興味を持ち始めたので、純粋に出遅れたな..という感覚です。笑
日本では最近KemioがSpotifyで番組をスタートさせたということもあり、日本でもポッドキャストが急激に浸透する予感がします。
なんと6/20からSpotifyで #kemioの耳そうじクラブ というポッドキャスト番組が始まります👏🏼夢のポッドキャスト😭様々なゲストをお迎えしてトークをしちゃいます🥺記念すべき第1回目のゲストはHIKAKINさん💙
Spotifyで無料で聞けるよ☺️
お楽しみに!!https://t.co/8fpLDsyZjj pic.twitter.com/nxkD3AF7FX
— kemio (@mmkemio) June 18, 2020
さて、そんなポッドキャストですが、フィリピンでの状況はどうなんでしょうか?
今回はフィリピンのポッドキャスト界隈でイケている、「Podcast Network Asia」というスタートアップを紹介します!
フィリピンのポッドキャスト市場
フィリピン人の5人に1人は、Facebookに依存して毎日情報を取り入れていますが、ここ最近ではFacebook上に投稿されたYoutubeに遷移して動画を楽しんだり、Spotifyなどで音楽やポッドキャストを楽しむようになってきています。
もともと、ラジオはフィリピン人にとって、政治情報を取る上で信頼のできる情報源という立ち位置にあります。
今後民間企業や個人に加えて、政府関係系のポットキャストも増えてくると予想されます。また、インフルエンサーや芸能人がポッドキャストに参入してきている傾向から、フィリピンの若い人たちが、FacebookやYouTubeを見るのと同じ感覚で、ポッドキャストを聞くという流れになる可能性も十分に秘めています。
10歳~24歳の人口が3分の1を占めるフィリピンにとって、今後若い層がポットキャストのユーザーになることは、音声メディアの業界にとって大きなインパクトを残すことになりそうです。
フィリピン最大のポッドキャストエージェンシー「Podcast Network Asia」
徐々に勢いを増すフィリピンのポッドキャスト業界。
そんなポッドキャスト業界を盛り上げているのが、35以上のポットキャストチャンネルと、350万人以上のリスナーを抱える「Podcast Network Asia」です。
Podcast Network Asiaは、ポッドキャスティングを広げ、アジアのポッドキャスト全体を牽引する存在になることを目指しています。
チャンネルの作成/運営からキャスティング、プロモーション/マネタイズ、分析、事務作業、機材やスタジオの提供やマネジメントを幅広くこなしています。
日本でいうと、プラットフォームは違いますが、YouTuberのマネジメントを行うUUUMのポッドキャスト版 in フィリピンをイメージしてもらえると良いかなと思います。
Podcast Network Asiaは、以下のような問題点を感じ設立されました。
- 制作基準が一貫していなく、音声の品質にばらつきがある為、リスナーが敬遠しブランドが確立されにくい。
- 収益化に関して、コンテンツ制作者はコンテンツを収益化する方法を知らない
- 他のメディアとは異なり、ポッドキャストのコンテンツは多くのアプリで同時に配信される為、データを集計して効果的に測定することが困難
そのような問題点を解決する為に、主に下記のビジネスを展開しています。
- オーディオ制作設備(スタジオ、機材)とポッドキャスト制作に精通したスタッフを提供し、質の高いサウンドの音声を作成
- ポッドキャストの収益化を支援しており、番組への関与度に応じて50~70%の収益分配を実施
- Podmetrics と呼ばれるポッドキャスト分析プラットフォームを開発、運営
フィリピンで人気の番組を35以上運営している、フィリピン最大のポッドキャストプロダクション会社となっています。
主な収益源は音声広告となっており、広告を出したい人はWebサイト上から、ターゲットや業界、広告を入れたい番組や予算などを入力してPodcast Network Asiaに問い合わせをします。
その後、スタッフから連絡がきて、予算や状況に合わせて、キャスティングを含めた全体の音声広告の戦略を立て実行していく形となります。
今後、ユーザーがさらに増えることによって、サブスクのモデルや、多様な音声広告などが生まれることになるかと思います。
Podcast Network Asiaが、フィリピンのみならず、アジアを代表するポッドキャスト界のリーダーになる日も近いかもしれません。
フィリピンで多数のサービスを開発してきたCEO・Ron Baetiong氏
2019年10月にスタートしたPodcast Network Asiaは、フィリピンのスタートアップ界隈で多くの功績を残しているRon Baetiong氏により設立されました。
Ron氏は、フィリピンでチャットボット開発会社を1年でSterling Paper Groupに売却し、アジア最大のナイトライフアプリPartyphileを立ち上げ、12万ユーザーを集めたという強者です。
アジア市場は5年後にはアメリカ並みのものになると予想されており、前年比で利用量が18%伸びているアジアのマーケットで、ポッドキャストの頂点を目指しています。
シード期に合計7500万円程の資金調達を実施しています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は最近急激に人気を増してきたポッドキャストにおける、フィリピンのパイオニア的な存在のスタートアップを紹介しました。
日本ではSpotifyやGoogle Podcastに加え、Spoonやstand.fmなど、色々なプレーヤーが出てきました。
今後フィリピンでもポッドキャストの存在感が増してくる中で、どんなサービス/番組が出てくるのかが大変楽しみです!
今回は以上です。ありがとうございました!
【参考】
・e27.co
・実は36%の人が利用している音声メディア
・Can a podcast transform Filipino youth’s political indifference into action?