2019年に設立されたOrbital Exploration Technologies, Inc. (OrbitX)。
フィリピン発の商業宇宙ベンチャーで、発展途上国に手頃な価格で、環境に優しく、持続可能な宇宙アクセスを提供する主要なプロバイダーとなることを目指しています。
彼らは、2023年から2024年の間に初の打ち上げの成功を目標としています。
「地球を維持すること」と「宇宙へのアクセス」の2つは、OrbitXの事業が目指す大きな柱です。
「宇宙へのアクセスを持つことで得られる本当のメリットは、地球を守れると言った点です。宇宙にアクセスできるようになれば、より優れた通信技術、防衛技術、位置情報サービス、気象技術などを得ることができるようになります。例えば、宇宙へのアクセスがあれば、がん研究や農業も改善されると考えています。また、宇宙でしかできないより優れた防衛インフラのおかげで、国家としての安全保障を守ることもできます」とOrbitXのCEOであるDexter Baño Jr氏は述べています。
宇宙科学によって、通常は重力への反応によって隠されている細胞の挙動を研究できるようになり、がんとの戦いに大きな成果を残すことになります。例えば、地球上の低軌道でかけられている重力は、地球の表面で感じる重力の1万倍から100万倍にも満たしません。微小重力下では、細胞を 「体内の細胞に近い状態」で研究することができます。
他にも、温室効果ガスや台風などの自然災害を監視する地球観測衛星や、捜索・救助活動の際に機動性を高め、迅速な対応を可能にする全地球測位システム(GPS)のナビゲーションツール、宇宙プロジェクトの一環として始まった電子レンジやソーラーパネルなど、宇宙技術の応用例は多岐にわたっています。
OrbitXは、複数の民間企業や、東南アジアのアーリーステージのテクノロジー企業への投資に力を入れているGenix Venturesからの出資を受けています。
また、クラウドファンディングを実施する中で、ヨーロッパとインドからの関心が高いことに気付きました。
支援者の一人である Abhishek Raju氏は、自身も宇宙産業のプロであり、インドの宇宙研究機関とOrbitXを結びつける道を開きました。彼は、近日中に駐フィリピンインド大使に会い、フィリピンとインドの外交協力の可能性について話し合う予定だと語りました。
「インドは、フィリピンと同じように、非常に信頼性の高い宇宙機関を設立するために、最小限の予算でスタートしたため、最も論理的な同盟国です。私たちには、国としての社会経済的地位の類似性があります。インドは知識経済の側面はありますが、まだそれを適切に活用できていません」と述べています。
OrbitXは、フィリピンの宇宙機関とは提携しておらず、資金援助を受けていませんが、プロジェクトの開発状況について定期的に最新情報を送ることで連携を図っています。