オンライン学習プラットフォームのCourse Beltは、失業中のフィリピン人に対して仕事を得るのに役立つスキルを身につけてもらう為のサービスを展開しています。
ロックダウンが始まった際に誕生したこのプラットフォームは、アメリカのオンライン学習プラットフォームであるUdemyを参考にしたもので、これまでにフィリピンで21,000人のユーザーが利用しています。
Course Beltによると、学習者の大半は20歳から40歳までの年齢層で、フィリピン人がデジタル領域での仕事のスキルアップを求めていることを反映しているといいます。
Course Beltの創設者であるPaolo R. Isyasa氏は、ペライチのサイトに1つのコースだけを用意した状態でサービスをローンチしました。そこに1ヶ月間で1,000人のユーザーから反応があったことにより、eラーニングの可能性を実感し本格的なサービス提供を開始するにいたりました。
「Course Beltを立ち上げた時、ドメインの購入と広告運用費に対しての1,000ペソしか費やしませんでした。その後、最初に得た全ての収益を再投資し、ビジネスをより早く拡大するためのマーケティングに予算を割きました」と彼は言います。
その後、マルチメディアアートの学校であるCIIT College of Arts and Technologyから200万ペソの投資を受けています。
「8ヶ月前、パンデミックの影響で友人が職を失うのを見て、私は悲しい気持ちになりました。そこで自分に何かできることはないかと自問し、Course Beltは誕生しました。Course Beltは自分のペースで新しいスキルを学ぶためのプラットフォームです。フィリピン人は根性とスキルを持っています。私達は彼らに力を与える手助けをします」とPaolo R. Isyasa氏は語っています。
この学習プラットフォームには、コピーライティング、デジタルマーケティング、Web開発、SEOライティング、Facebook広告、グラフィックデザイン、ソーシャルメディア運用など、自分のペースで学べるコースが用意されています。それぞれの価格は199ペソから499ペソと、多くの人に手が届く価格設定となっています。
最も人気のあるコースの2つは、マーケティングを学びながらWebサイトを開発することを学ぶ「WordPressとマーケティングコース」と、個人のブランドやビジネスのためのソーシャルメディア運用を学ぶ「ソーシャルメディア運用コース」です。
コースを修了した学生のほとんどが外資系企業に応募するため、現在のところ他の企業との提携はしていません。
国際労働機関(ILO)によると、パンデミックによる経済不況により、アジア太平洋地域では8100万人の雇用が失われています。また、アジア開発銀行は、パンデミックの影響で2020年には少なくとも210万人のフィリピン人労働者が職を失った可能性があると試算しています。