コロナウィルスの影響は、日本/フィリピンを含む全世界の経済に大きな打撃を与えています。
フィリピンの経済のコロナ影響下での状況を簡単にまとめると下記のような感じです。
- 2020年1-3月のGDP(国内総生産)は0.2%縮小
- フィリピンの経済における最も大事な要素である「個人消費」の伸びがわずか0.2%にまで鈍化
フィリピン経済は第一四半期(2020年1-3月)に20年以上伸び続けていた経済成長がついに止まり、縮小傾向にあります。
政府は、コロナウイルスのパンデミックの影響でさらに最悪の事態が起こる可能性が高いと示唆しました。
1-3月の国内総生産は0.2%減少し、1998年のアジア金融危機以来の最悪のパフォーマンスとなりました。
フィリピンは、広範囲のロックダウン施策を行なった結果、経済が停滞し、壊滅的な数字を報告する結果となってしまいました。
「ウイルスの拡散を抑制し、何十万人もの命を救うことができたが、検疫(ロックダウン)の強制はフィリピン経済に大きな犠牲を払っている」と、経済省のカール氏は述べています。
2020年1月に起きたタール火山の噴火の影響で、マニラの主要な国際空港の一時的な閉鎖も実施され、コロナショックに加えて経済に深刻な被害をもたらしました。
カール氏は、第二四半期(2020年4-6月)はさらに痛みが増し、経済はさらに縮小する可能性があるとの見解を示しています。
「第一四半期は、我々が置かれている非常に困難な環境を考えると、まだ立派なものだと思います。第二四半期はもっと悪くなるかもしれない」と語っています。
フィリピンの経済における最も大事な要素である個人消費の成長率は、封鎖された地域のモールやショッピングセンターの閉鎖の影響を受け、わずか0.2%にまで鈍化しました。
フィリピンでは3月中旬から多くの地域がロックダウンされており、少なくとも5月末までは、マニラを含むその周辺の経済活動が行われている地域は、ウイルスの拡散を封じ込めるための隔離状態が続くことになっています。
INGのシニアエコノミストであるニコラス氏は、「これまでのロックダウンの影響が消費主導型経済にどれほどの破壊力をもたらすか見れば、今後間違いなく、さらにGDPを大幅に縮小に引きずり込むことになるだろう」と述べました。
しかし、カール氏は、「徐々にビジネスを再開していく中で、2020年の下半期には国は立ち直る可能性があります。コロナのパンデミックが落ち着き、人々の健康が担保されるようになれば、経済も良い方向に回復を遂げる可能性は非常に高いです。」と付け加えました。
フィリピンは現在までに1万人以上にコロナウイルスが検出され、600人以上が死亡しています。
【参考】
arabnews.com