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給料1時間分を寄付?フィリピンの栄養失調を解決する「Children’s Hour」

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フィリピンで未だ根深い問題となっている「貧困」。
国内外の多くのNGOや団体が、フィリピンの貧困問題に向き合い活動を続けています。

以前こちらの記事で紹介したように、フィリピンの社会問題を持続的な方法で解決しようとしているソーシャルビジネスは多く存在し、貧富の差が激しいフィリピンに対して行動を起こしています。


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今回は、フィリピンの子どもたちの栄養失調を解決しようと現地で活動を続ける「Children's Hour」というNPOを紹介します。
Children's Hour(チルドレンズアワー)という団体名に込められた想い、ミッション、どのような活動をしているかを解説していきたいと思います!

Children’s Hourの始まり

Children's Hourは、フィリピンの子どもたちの福祉と健康に焦点を当てた非営利団体です。この団体は、現在Ayala Corporationの会長兼最高経営責任者(CEO)を務め、International Youth Foundation(IYF)のメンバーでもあるJaime Augusto Zobel de Ayala氏の発案で誕生しました。

最初に行ったキャンペーン「Children's Promise」はとてもシンプルなもので、参加した個人や企業が、その年の給料の最後の1時間分を恵まれない子どもたちの生活を改善するプロジェクトに寄付するというものでした。

フィリピンでは圧倒的な反響があり、3,000万ペソ(約6,000万円)という驚異的な額の寄付が集まりました。こうして「Children's Hour」は誕生し、それ以来、フィリピンの子どもたちがより良い生活を送れるよう活動を進めています。

Children’s Hourが描く世界

Children’s Hourは前述の通り、困っているフィリピンの子どもたちのために、教育、健康と栄養、児童福祉に関するプロジェクトを支援するための資金調達、資金提供、協力者を集める団体です。

そんな彼らのビジョンとミッションがこちら。

Vision
Our vision is to give the Filipino child the basic right to enjoy a happy, safe, and fulfilling future.
(私たちのビジョンはフィリピンの子どもたちが幸せで安全で充実した未来を歩むための基本的な権利を与えることです。)
Mission
Our mission is to generate funds and friends nationwide by asking individuals, employees, companies, and organizations to donate at least one hour of their annual salary or earnings once a year, and to share their time and talent.
(個人、従業員、企業、団体に寄付を協力してもらうことで世界中から資金と仲間を集め、年に一度彼らの収入のうち最低1時間分の時間と才能を寄付という形で共有してもらうことをミッションとしています。)

フィリピンの子どもたちの栄養失調

Children's Hourによると、フィリピンは栄養不良に悩まされているケースが多く、340万人の子どもたちが発育障害を抱え、年齢の割りに身長が低くなっています。また、30万人以上が満たすべき体重を大幅に下回る状態で、痩せ細ってしまっています。

Children’s Hourでは、教育、児童福祉、開発と並んで、健康と栄養が大きな指標であることから、栄養失調のサイクルを断ち切る方法を積極的に模索してきました。

栄養失調は思っている以上に深刻な問題です。多くの点で、栄養失調はフィリピンの社会問題につながっています。貧困はその一例です。栄養失調は子どもの人生の多くの側面に影響を与え、時には大人になってからの彼らに取り返しのつかない負の影響を与えます。貧弱な栄養状態は、心身の発育不良につながり、その結果、学校や学校外でのパフォーマンスに影響を与えます。栄養不良の女の子は、将来栄養不良の子どもを出産します。そして、そのサイクルがまた始まります。

このように、栄養失調の問題を解決することは、子どもたちの健康と幸せを守るだけでなく、より健康で幸せな社会を作ることにもつながるのです
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引用:Children’s Hourより

Children’s Hourの活動

たくさんのことにトライしてきたChildren's Hour。組織が設立されて以来、社会的に疎外されたの子どもたちへの支援に力を注いできました。栄養面では、ルソン島からミンダナオ島までのフィリピン全土で、特に栄養失調の子どもたちを対象とした栄養プログラムを提供してきました。

このプログラムでは、健康的な食事を提供することは最初の一歩に過ぎません。栄養失調の問題を解消するための重要な鍵は、家族に健康的な食事を継続して提供するように習慣づけてもらうことです。また、きれいな飲料水へのアクセスも問題であり、低所得者層のコミュニティでは、水質の悪さが問題となっています。

与えるだけでなく、それを継続できるように教育することもまた、重要な要素となっておりプログラムに盛り込まれているのです。

Children's Hourは、パートナーであるChristian Mission Service Philippines (CMSP)と協力して、寄生虫や害虫の駆除、ゴミの分別と堆肥化、個人衛生指導などの補完的な活動を行うことで、教育省の給食プログラムを支援しています。

これらのプログラムはかなりの成果をあげています。プログラムが開始された当初、栄養不良の子どもたちの割合は全体の90~95%でした。地道な活動の効果が出て、参加した子どもたちの77%が健康的で正常な体重になりました。Children's Hourは、プログラムを受けている子どもたちが100%、栄養失調の状況から抜け出し健康的な状態になることを目標に突き進んでいます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
フィリピンの「貧困」にはいろいろな側面があります。

どんな環境に生まれても、ネグレクトされていても、お金がなくて教育が受けれなくても、まずは健康であること・生きていることが一番最初のステップです。健康ありきで未来は作られます。支援も健康でなければ、享受できません。そのような意味で、栄養失調に目を向けて活動を続けているChildren's Hourは、恵まれない子どもたちの未来を作る第一ステップとして、大変重要な課題に取り組んでいる団体だと言えます。

1時間分の給料を年に一回寄付する」という支援の募り方も大変ユニークで、今後その支援がどんな形でフィリピンの子どもたちの人生を変えていくのかがとても楽しみです。

今回は以上です!ありがとうございました!

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